この記事を読んだ人におすすめの記事×

Original.jpg?jp.co
出典元URL:http//www.shutterstock.com

中国版LINE?Wechatの機能と越境ECとインバウンド活用への可能性とは

スマホの時代が到来してからというもの、世の中が劇的に変わりました。とは言っても、単にガラケーがスマホに変わった程度であれば、またちょっと便利になったね。という程度でありましたが、スマホ+SNSにより、いつでもどこでもソーシャルネットワークでつながっている相手と連絡が取れるようなりました。この結果、個人の生活のみならず、ビジネス環境も大きな変化を迎えることになりました。

  • はてな
  • Twitter
  • facebook
  • google+
  • LINE

目次

LINEは日本で最も多く使用されているSNSですが、今回は、その中国語版といえるWeChatについてみなさんと一緒に勉強したいと思います。なにせ、中国でスマホを持っている人はほぼ全員このWeChatを使っていますので、中国の方と交流する際や、中国ビジネスを展開する際には必須のツールです。
それでは、WeChatについて、7つの章に分けて解説します。

WeChatとは?

WeChat(ウィーチャット)は一言でいえば、中国版LINEです。広東省深セン市に本社があるテンセント(腾讯)社によってリリースされています。深セン市は、香港に隣接していることや中国政府によって経済の特別特区に指定されていることもあり、テンセント社の他にもファーウェイ(华为)など多くの有望なIT企業があり、最近ではアメリカのシリコンバレーと比較して、中国のシリコンバレーと言われるようになってきています。

WeChatは、中国ではWeChatという英語名ではなく、中国語名の微信(ウェイシン)として広く知れ渡っています。むしろ、中国でWeChatと言われてもほとんどの人がわからないと思いますので、漢字読みも併せて覚えておきましょう。
このWeChat、現在中国で市販されているスマートフォンには必ずといっていいほどデフォルトでインストールされており、使用ユーザーも2016年7月20日のとある統計データでは、WeChatの登録ユーザー数が5.49億人に達したようです。

経済産業省でまとめた2015年のデータによると、2015年時点の中国のインターネット人口は6.72億人ですので、インターネット人口の約8割の人がWeChatユーザーになっていることになります。
もともと、テンセント社はQQ(ペンギンマーク)というSkypeとLINEを掛け合わせたようなサービスを提供しており、WeChatがここまで普及するまでは、デスクトップやのノートパソコンでみなQQを使用していました。私の周りの中国人の友人も、当時の名残でQQアカウントを持っている人が大勢います。

スマホの時代になってからもしばらくの間はモバイル版のQQがメジャーでしたが、同じテンセント社からWeChatがリリースされてからは、みなWeChatを使用するようになりました。理由は、より手軽で便利になったことに加え、やはり多くの人がWeChatを使いだしたことで、QQにメッセージを送っても見ない人が増えてからだと思います。

日本でスマホユーザーのほとんどがLINEを使用しているように、中国ではほとんどの人がWeChatを使っています。

WeChatの機能

WeChatは中国語版のLINEではあるといえますが、やはり、アプリが違う以上、多くの相違点があります。まずは、LINEと比べて何が同じで何が異なるかを以下にまとめました。

■LINEと同じ機能
・1対1のチャット
・グループチャットシステム
・ボイスメッセージ
・スタンプ
など

■LINEには無い機能
・モーメンツ
・お年玉送付
・決済機能
・ウェブサイト開設
・ネットショップ開設
など

つまり、WeChatにはLINEには無い機能が多くあります。簡単にいえば、WeChatはLINEの機能に加えて、Facebookのようなモーメンツ機能、Suicaのような電子マネーの機能、銀行のデビットカードの機能など、様々な便利な機能があります。

このように、相対的にWeChatの方がLINEより多くの機能を有しておりますが、LINEにある「既読」機能がWeChatにはありません。この辺りは国民性の違いもあるのでしょう。

WeChatと他のSNSの機能の違い

主にLINEと比べてWeChatの違いについて考えた場合、まず最初にいわれるのがFacebookと同じようなモーメンツ機能があることです。
WeChatには朋友圏(パンヨウチュエン)という箇所があり、そこにアクセスすると、常時、自分のWeChatアカウントに登録されている友人知人がアップした写真付きのコメントを見ることができます。しかも、これは彼らがアップする度に更新されるため、ヒマ潰しに見ることもできますし、上がったコメントに対して、ハートマーク(いいね)を押すことやこちら側のコメントを入力することもできます。また、これらの行為は、自分がアカウントを持っている他の友人知人に共有されるため、たとえば、自分が入れたコメントに対して、他の友人がコメントするということも多々発生します。

次に特徴的なのは、お年玉送付機能です。
WeChatのチャット画面には紅包(ホンバオ)という機能がついており、一度に200元までの金額をアップすることができます。この場合、1対1なら相手一人に対して贈ることになりますし、グループチャット内で送付した場合は、複数の相手に贈ることになります。細かくいえば、グループチャット内で送付する場合は、金額だけでなく、何人が受け取ることができるかも設定します。たとえば、10人のグループチャット内で100元を3人に送る設定をして送付した場合、先着順に3名が受け取ることができます。この場合は、単純に100元を3人で均等に山分けするのではなく、システムの方でランダムに受取金額を決定します。

中国では一般的に旧正月(毎年1月か2月)にお年玉=ホンバオを送る習慣があります。会社の場合はこの時に1ヶ月分のボーナスを出すのが一般的ですが、個人レベルでも、既婚者は独身者にホンバオを数十元ほど送ることが慣例となっており、また、知り合いにも5元か10元ほどの少額を送ることが慣例となっています。恐らくこのような中国独自の慣例がWeChatにも盛り込まれたのだと思いますが、旧正月シーズンだけでなくとも、ちょっとしたやり取りにもこのホンバオ機能が大活躍しています。

たとえば、ひと昔前までは中国には割り勘(中国語では「AA制」と呼びます)の考え方がありませんでしたが、特に若い人の間では割り勘がかなり浸透しています。そこで、みんなで財布を取り出してお金を細かく分けるより、一人がまとめて払ったうえで、残りの人は支払った人に自分の分の料金を彼のWeChatにホンバオ機能を使って支払うというやり方です。
また、飲食店での支払いに限らずとも、たとえば、みんなで会場を借りてバトミントンをやる時の会費の支払や、タクシーの支払いを割り勘するのにも便利ですね。
2016年8月現在、ホンバオで一度に送ることができる金額は200元までとなっております。

もう一つは、ホンバオの機能と深く関わってきますが、WeChatには決済機能まで付いています。
WeChatのトップページの右下を押すと自分のページに移行します。そこに、銭包(チエンバオ)という箇所があり、そこを押すと我的銭包、つまり、自分の財布ページへと移行します。

大事なのはここからですが、たとえばスーパーへ行ってWeChatで支払いたい場合、この画面の付款(フークァン)=支払いを押すことで、バーコード及びQRコードの画面が表示されます。あとは、店員さんにピッとしてもらえば支払い完了です。
なお、支払いは、WeChat内に貯まっているお金から支払うこともできますし、足りなければ、あるいは中のお金を使いたくなければ、デビットカードと同じように直接銀行から引き落としてもらうこともできます。
また、バーコードやQRコードを読み取ってもらう以外にも、自分からお店のQRコードを読み取ったうえで、金額と暗証番号を入力して支払うこともできます。この辺はケースバイケースです。前述したホンバオを相手に贈る際も、WeChat内のお金を使うこともできますし、銀行口座から支払うこともできます。

ただ、いずれの機能も、中国国内の銀行口座と連結できて初めて可能になりますので、その点はご注意ください。

もはや、スマホとWeChatさえあれば、財布も銀行カードも不要です。銀行口座の中にお金が入っていれば、支払いに困ることは有りません。

この他にも、微信公众号というWeChat上の個人あるいは企業サイト開設機能や、微店というWeChat上のネットショップ開設機能もありますが、外国人の場合は規制がありますし、WeChatの機能はそれこそ多岐にわたりますので、これらはまた別の機会にご紹介します。

注意:ホンバオ機能及び決済機能は中国国内の銀行口座と紐づけしなければ使用できません。日本の方が日本でダウンロードしても使用することができませんのでご注意ください。

中国人はどうやって使ってるの?

前章ではLINEに無くてWeChatにだけある機能について解説しましたが、LINEとWeChatに共通している機能であっても、日中で使い方が異なります。

代表的な例がボイスメッセージです。日本では、電車やバスなど、多くの公共の場所で携帯電話を使用することはマナー違反であるというのが常識です。逆に言えば、日本においては、ボイスメッセージを使うことができる=携帯電話を使用することできることになりますので、相手のタイミングで確認してもらえれば構わないのであれば、普通にメッセージを残せば十分ですし、緊急であれば電話します。あとは、恐らく周りの人に話している内容を聞かれたくないということもあると思います。


文字入力画面の左の○を押すと右の画面に切り替わります。その状態で、下側中央の「按住说话(押して話す)」を押すと「放松结束(離して終了)」に切り替わるので、押したままマイクに口を近づけて話します。話し終ると離して終了です。

一方で、これは両国の文化や考え方の違いもあるかと思いますが、中国では電車やバスの中であってもみなさん大声で電話しています。
いずれにせよ、日本よりはボイスメッセージを使える頻度は多くあり、実際にボイスメッセージを使っている人も結構見かけます。

ホンバオの機能も元々はその名前の通り、もともとはホンバオを贈るあるために存在した機能だと思いますが、いつしか割り勘などの各種支払いに使用されることになりました。これは、WeChatに限らず、LINEにもいえることかもしれませんが、多くの人が使うことによって新たな使い方が生まれるというのは非常に興味深い現象だと思います。かくいう私も、最初はWeChatで支払うと言われた時には、慣れていないため若干拒絶反応がありましたが、今ではとても便利ですので、下手に小銭をもらったり、逆にこちらが小銭を用意するよりは、WeChatで払ってくれよと思ってしまいます。また、スーパーで買い物する際もいつも長蛇の列に並ばなければならないため、現金やデビットカードの支払でモタモタしている人がいると、何でWeChatで支払わないんだと腹が立つようになりました。その昔、バスや電車を乗るときにピッとやるようになった時も違和感がありましたが、慣れてしまえばとても便利です。テクノロジーが進化したときは最初は気持ちが悪いですが、臆せずどんどん新しいテクノロジーに触れることで、みなさんもどんどん新しい世界の道の扉を開いていってもらいたいものです。

ちなみに、WeChatでお金をもらうとシステムが吹っ飛んだときに中のお金が無くなるのでは?と心配されている方、大丈夫です。2016年3月1日からは手数料がかかりますが、WeChat内に貯まっているお金は、紐づけしている銀行口座へ送金することができますのでご安心ださい。

WeChatにおけるマーケティング手法

WeChatは単なるコミュニケーションツールとしてだけでなく、優良なマーケティングツールとしても注目されています。これには、主に以下の2つの理由があります。

1. モーメンツにPRしたい内容をアップすることで、自分のWeChatアカウント登録されている友人知人に対してPRできる。
2. PRしたい内容をテキストデータあるいは画像データにまとめ、自分のWeChat内に登録されている友人知人ひとり一人に対して転送あるいはコピペしてPRできる。さらに、受け取った相手が良いと感じたコンテンツに関しては、そこからさらに彼らの友人知人たちへと自然に拡散される。

※古いバージョンのWeChatでは、それこそひとり一人に対してコンテンツを転送あるいはコピペしなければならず、かなりの作業量になりましたが、最新バージョンでは一度に9人まで同時に転送できるようになりました。ただ、コピペの場合は相変わらずひとり一人に送り必要があります。

この他にも、第3章で触れたように、微信公众号(サイト開設)や微店(ネットショップ開設)という方法もありますが、外国人の場合は規制がありますので割愛します。

日本では、人気ブロガーやツイッターのフォロワーが多い人がそれを活用してお金を稼いでいるように、WeChatでも同様のことをしている人は少なからずおります。いずれにしても、WeChatを活用したマーケティングはまだまだ無限の可能性を秘めているといえます。

越境ECでの活用方法

WeChatは越境ECによる商品販売でも威力を発揮します。
 
今どき、日本製品だから、中国は人口が多いからというだけで、中国で簡単に日本のモノが売れると思ったら大間違いです。これは、中国でビジネスをしいてればというより、冷静に考えてこの多極化の時代にとっては当たり前のことですが、どうも日本にいる方には日本で売れているからとか、中国から大勢買いにくるから、というやや偏った自身に支えられて強気な人が多いような気がします。身近なところでいえば、中国企業と取引する場合、完全前金や最少ロットはコンテナ単位といった具合です。

世の中に、同じような品質で同じような価格の同じような商品が溢れているなかで、その商品を消費者のお客様の手元まで届けて使ってもらうまでには、多くの越えなければならないハードルがあります。
そこで、そのような商品のマーケティング手法の一環として、WeChatの個人チャットやモーメンツ、あるいはウェブサイトやネットショップの機能を使って消費者のお客様にPRします。

実は、WeChatと越境ECの関係というより、この「口コミ」と越境ECの組み合わせがとても重要です。たとえば、中国に住んでいる人が越境ECにより商品を購入するということは、海外の商品を購入することになります。つまり、国内ECで商品を購入するよりも越境ECで商品を購入する方が、送料など諸経費が加算される分、似たような商品であっても高くつきます。ただ、下記に紹介する経済産業省のデータが示すとおり、このように割高であっても越境ECを利用する人は年々増え続けています。
それはなぜでしょうか?

一つは、中国ではニセモノが氾濫しており、これはECサイトにおいても同じ傾向があります。中国最大のC to C ECサイトであるタオバオでも同様で、一説によれば、タオバオで売られている商品の8割はニセモノであるといわれています。個人的にはコピー商品や不良品も含めてであると解釈しておりますが、いずれにせよ、中国の消費者の間でも国内のECサイトはニセモノが多いというのが常識となっており、これが、多少高くても海外のホンモノを買うという消費行動の要因となっており、年々増加する所得もこの行為を後押しする一因となっています。

タオバオはアリババが運営するC to C ECサイトですが、同じくアリババが運営する天猫(Tmall)はB to C ECサイトで、このため出店するためには特に資金面のハードルが高く、タオバオよりも信頼性が高くなっています。ただ、天猫の商品もタオバオからの移転が増えており、結局こちらでもニセモノが横行しています。そこで、このような国内のニセモノとは一線を引くために天猫国際ができました。

こちらは、授権書や様々な証明書の提出が求められるなど、出店要件がさらに厳しくなり、よって、ようやく国内のニセモノとはおさらばかと思いきや、結局そのような書類も偽造できてしまうため、ニセモノの心配は絶えずあります。つまり、「上に政策あれば下に対策あり」ではありませんが、いたちごっこなのです。

このような理由から、越境ECにより海外の商品を購入する中国消費者が増えておりますが、一方で、国内のECサイトは信じられないが、身内や中の良い友人が言うことなら信用できるというのが一般的な中国人の考え方です。日本でも口コミは良質なPR手段ですが、中国では口コミによる信用度のファクターが日増しに強まっています。そして、その口コミの手法が、WeChatのチャット機能やモーメンツ機能、ウェブサイトやネットショップ機能を使った方法ということなのです。

ただ、海外のモノであれば信用度は増すといっても、やはり、ニセモノのかどうかの心配はつきまといますし、そもそも、商品自体が知られていないというのが一番の課題です。せっかく良いモノであっても、まずは知ってもらい、誰かに使ってもらわなければ、口コミで広がるものも広がりません。口コミは商業的に割り切って実施することももちろんできますが、多くの場合は、まず自分が使ってみて、その良さを実感し、周りの友人知人にもぜひ教えてあげたいという感情面のファクターも大きくなります。

いずれにせよ、これから日本の商品を越境ECによって中国の消費者の皆さんに使ってもらいたければ、WeChatを使った口コミは欠かすことのできない手法であり、今後ますます重要性が増すと思われます。

スマホの時代になり、本当に世の中が大きく変わりました。パーソナルコンピューターの代名詞であるWindows95が出た当初は、まだまだパソコンは高いという印象で庶民にとっては高嶺の花でした。その後ノートパソコンの登場と並行してPCの価格も下がり、ここ最近では多くのノートパソコンの小売価格が10万円を下回るようになり、庶民でも気軽に購入できるようになりました。ただ、これはあくまでも先進国での話です。

スマホの登場と共に、これまで多くの人がパソコンを買うことが一般的ではなかった国々であっても、安価なスマホを買うことによって、ネットにアクセスできるようになり、ネット人口が爆発的に増えました。さらに、LINEやWeChatのようなメッセージアプリの登場により、モバイル端末でのやり取りが急速に便利になり、このことによる新たなビジネスチャンスが生まれています。今現時点の世の中で特にメッセージアプリに関して考えれば、日本を中心にLINEが、中国を中心にWeChatが、そして、欧米を中心にWhatsAppが使われており、それぞれの地域でビジネスを展開する中で重要な地位を占めつつあります。

これはもはや、Windowsが好きだのMacが好きだのというレベルの話ではなく、また、「中国ビジネスはぜひ取り組みたいけどWeChatはよくわからない。」や「外国のものは使いたくない」というわがままを通して成功できるほど世の中は甘くありません。「郷に入れば郷に従え」というように、その国や地域に合わせたツールを使いこなし、ぜひとも今話題の越境ECでひとりでも多くの方に成功していただきたいです。

この記事を読んだ人におすすめの記事

    アクセスランキング

    あわせて読みたい

      KABUKI > コンテンツ > 中国版LINE?Wechatの機能と越境ECと...

      人気のキーワード