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マーケティングオートメーションの比較と2018年-2019年の事例

マーケティングオートメーション(MA)の国産海外サービスの比較と2018年−2019年のトレンドと事例を確認しながら、なぜ、米国ITの労働生産性を向上させただけでなくシステム向上による優良顧客の獲得を容易にし、更に拡大しているのかを考察していきましょう。

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目次

マーケティングオートメーションが普及しないマーケ後進国

「営業」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは「テレアポ」ではないでしょうか?企業からリストを購入し、名簿の上から順に電話をかけ、100件中1件でも実際の面談までこぎつけられたら万々歳…というスタイルが中心の会社もまだ多く存在すると思います。

しかしテレアポ営業には時間と労力が必要なため、特に若い層の営業マンからは嫌がられる傾向にもあります。非効率と考える人が多いにも関わらず、なぜマーケティングの自動化(オートメーション)が行われず、今も旧来通りの営業が行われているのでしょうか。

日本の営業活動を支えてきた“地理的な要因”

こうした背景には、日本では売上を伸ばすために電話営業が重要視されていた過去があり、そうした“時間と労力をかける営業”で成功経験を積んでいった層が、現在会社で重要なポジションを担っている、ということにも要因があります。彼らは実際にテレアポ営業を経て取引先と直接会い、関係を構築していくことで、経済を回してきました。
そのため、効率的な売り方を求める「マーケティング」より“時間と労力をかける数重視の営業”がいまだ重要視されており、現在もその流れを汲んだテレアポ営業が盛んなのだと考えられます。

そこには前提として、会社の多くが東京に集中しており、東京から地方に赴くのにも1日2日の出張で行けるという地理的条件があり、マーケティングの自動化を考えるよりも人的リソースによる営業で賄うほうが手っ取り早い、という理由が挙げられるのではないでしょうか。

広大なアメリカならではのMAツール技術の発展

一方アメリカの場合は地理的に「会う」ことが難しいケースがあり、遠隔でコミュニケーションを取るためのITが発達してきました。そうした背景からIT分野への投資も盛んになり、マーケティングスキルやデータ活用、そしてオートメーション化などの技術が広く早く浸透していくことになりました。

こうした地理的な違いにより、日本のマーケティングリテラシーは大きく引き離され、アメリカと日本のマーケティングのレベルの差は10年分開いているともいわれています。

このような背景を持つ日本ですが、アメリカ企業の啓蒙もあり、近年マーケティングオートメーション(頭文字をとって「MA」と略されることが多い)の概念・ツールが次第に広がり、取り組みを始める企業も増えてきました。このMAをより深く理解するために、まず身近な「One to Oneマーケティング」の概念について、詳しく解説していきます。

MAツールとは切り離せないOne to Oneマーケ事例比較

One to Oneマーケティングとは?

マーケティングオートメーション(MA)と深い関係性を持つ「One to Oneマーケティング」とは、顧客一人ひとりの嗜好にあわせて展開するマーケティング活動のこと。すべての消費者を対象に画一化された方法を用いて行う「マスマーケティング(Mass marketing)」とは対極をなすマーケティング手法です。IT技術の進歩、とりわけCookieと呼ばれる技術の開発により、Webサイト側が閲覧者を識別できるようになったことで、閲覧者に合った情報をブラウザ内に表示することができるようになりました。

このシステムはネットショッピングに多く使われており、おそらく皆さんも2回目以降の来訪で閲覧履歴が表示されたり、嗜好に沿った商品をおすすめされたり、個人情報の入力フォームを省略されて便利だった、といった体験をされたことがあるのではないでしょうか?このように個人ごとに違った情報を発信することがOne to Oneマーケティングのベースになっています。

One to Oneマーケティングによるメリット

個人の行動・購買履歴などに基づいた情報をWeb上に持てるようになったことで、これまでと違い、その人に合った情報を個別に見せられるようになりました。
例えば広告においてこの手法をとれば、表示される広告はその閲覧者の興味に沿ったものになり、従来の広告特有の煩わしさを感じさせにくくなります。
また、適切な時期に購買意欲のある消費者に広告を打てるので、コンバージョンに繋がりやすいのもメリットです。紙広告と異なり費用対効果が高く、制作費も時間的コストもカットすることができます。

One to Oneマーケティングの事例を比較

実は身近な「One to oneマーケティング」。
これを取り入れて成功している企業の事例3つをご紹介します。

事例①すかいらーくグループのマーケティングのオートメーション化

すかいらーくグループは、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを中心に、洋食、中華、和食、イタリアン、回転寿司など、国内及び台湾に合計約3,000店舗を構える世界最大規模の直営レストランチェーンで、年間利用客は国内レベルで約4億人にものぼります。

2014年10月、自社のクーポンを配布するアプリ「ガストアプリ」のプロモーションを開始し、半年で200万ダウンロード、7ヵ月経過した2015年5月時点で300万ダウンロードに達しました。
このアプリ登録時には年齢や性別などの情報を入力しますが、それを活用し、顧客にとって興味のある情報を適切なタイミングで提供しているのです。例えば、子どものいる人にはキッズメニューを、終業前の夕方の時間帯にアルコールクーポンを、金曜日には週末のお出かけ前にモーニングを紹介するなど、必要な人に最適な情報を送り届けるコミュニケーションプラットフォームとしての機能を備えています。

そうしたクーポンを配布することにより、顧客が来店する確率が高まり、コストは従来型広告に比べて低いため、アプリを導入した2014年はこのアプリ活用をはじめとしたプロモーションの最適化を図ることで、広告宣伝費を抑制しながら売上を伸ばしました。

さらに2015年に「バーミヤン」、2016年には「ジョナサン」でもアプリを導入。ガストアプリのダウンロード数も伸び、すでに1,000万に達したと発表しています(統合報告書2016による)。
紙媒体からデジタルメディアへの移行を促進した同社は今後、モバイルアプリを利用して、タイムリーな情報発信や顧客に合わせたマーケティングを推進しておりクーポンの出し分けをオートメーション化するなど、One to Oneマーケティングを行うことでお客様の来店を促進していく方針を発表しています。さらにすかいらーくグループのブランドを統合したクロスブランドアプリも開発予定とのこと。One to Oneマーケティングで成功を収め、今後もますます強化していく事例であるといえます。

参考資料:すからーくグループ
・アニュアルレポート2014
・アニュアルレポート2015
・統合報告書2016

事例②ゲオのマーケティングのオートメーション化

ゲオは、CD、DVDのレンタルや中古ゲームの販売を行っている会社で、扱っている商品はいずれも個人の好みが強く反映されるものばかりです。
そのため、顧客1人1人の趣味・嗜好に基づいたレコメンドをタイムリーに実現することが重要です。

そこで2012年11月、ゲオショップを便利に利用することを目的とした会員証アプリ「ゲオアプリ」のダウンロードを開始。顧客から見れば会員証であり、お得なクーポンアプリでもあり、手軽なミニゲームを楽しむこともできるこのアプリは、利用することで「ゲオスポイント」が貯まり、くじ引きができ、クーポンが当たればまた店舗へ行く、という顧客サイクルを意識した内容でスタートしました。

レンタルサービスの性質上、住所など会員の基本情報を取得する必要があるにも関わらず順調にダウンロード数を伸ばし、2016年7月には500万ダウンロードに達しました。
その後、レンタル作品の在庫検索、レンタル履歴の確認などの機能も加わり、店舗やVOD(ビデオ・オン・デマンド)、宅配レンタルなど他チャネルとの連動の起点として、より利便性を高めています。

今後は、来店頻度や利用商品履歴などユーザー1人1人の行動履歴を分析し、個別のクーポン付与や、レコメンド情報発信を行い、オムニチャネル・リテイリングにおけるOne to One マーケティングのオートメーション化ツールを強化していくと発表しています。

参考資料:ゲオホールディングス
・ニュースリリース
・ゲオアプリ

事例③ ZOZOTOWNのマーケティングのオートメーション化

3つ目の事例は、株式会社スタートトゥデイが運営するアパレルのオンラインショッピングサイトZOZOTOWN(ゾゾタウン)です。このZOZOTOWNがマーケティングの改善を図るため、2010年にCRM部(現在はCFM部)を設立して行ったOne to Oneマーケティングが成功事例として有名になりました。

具体的には、ユーザーの購入履歴から、そのユーザーに合ったコンテンツを配信していくというメール施策です。例えば靴を購入したユーザーには「お手入れのコツ」や「関連商品」、「おすすめの付属品」などをメール通知することで、コンバージョンレートは何と10倍にまで増加しました。

これらのマーケティングをオートメーション化する施策はまさしく効果的な「ツボ押し」のようなものであるといえます。ここぞというタイミングでユーザーに的確な情報を発信することにより、メールマガジンの開封率やクリック率を向上させる結果を導くことができるのです。

実は身近にある、One to Oneマーケティング

ご紹介した事例はいずれも多くの顧客を持ち、そのデータを活用したOne to Oneマーケティングの代表的な企業事例です。では、情報の受け手である消費者の視点ではどうでしょうか。

現在では、何かについて知りたい、調べたいと思ったとき、すぐにWeb検索で情報収集することができます。スニーカーを例にしましょう。季節の変わり目で、なんとなく新しい靴が欲しいと思っているだけの人もいれば、スニーカーマニアで、定期的に新しい情報をチェックしている人もいます。その2人に対して同じ情報を発信しても、効果は今ひとつでしょう。“春の新作モデル”というだけでは、マニアの人には弱いアプローチになりますし、逆にかなり本格的な情報では、”新しい靴が欲しいだけの人”にはピンときません。

“新しい靴が欲しいだけの人”には、今なぜスニーカーがオススメなのか、例えばトレンドファッションに合わせやすい、トレンドカラーを取り入れやすい、などの情報を送ると有効そうです。
“マニア”向けには、素材や機能のこだわりや「復刻モデル」「限定カラー」、「他ブランドとのコラボレーションモデル」などで“限定感”を押し出していくことで、その人にとってこのスニーカーを買う理由が生まれます。

以上のことはマーケティングの基本ですが、これを顧客が求める傾向もまた、現在においては強まってきたと言えるでしょう。

マーケティングのオートメーションで見込み客を育成し生産性アップ

マーケティングオートメーション(MA)は何をしてくれるのか?

いよいよ本題の「MAは何をしてくれるのか」についてです。マーケティングオートメーション(MA)とは、先に述べたマーケティング活動を、デジタルテクノロジーによって自動化し、最適化するために開発されたツールや仕組みを指します。

スマホなどネット環境の普及により、消費者は自らの手で検索を行い、疑問を解決するようになりました。同時に、消費者が求めている情報を「求めている形」で提供することもまた難しくなっています。
ある情報を消費者に伝えるには、メールで伝えた方がいいのか、それともメッセージアプリがいいのか、Webページなのか、それともSNSなのかetc.……。こうした問題をデジタルテクノロジーで自動化し、しっかり時間をかけるべきところに時間を使えるようにする、つまり顧客のニーズに適切かつ効率的に対応し、自社のブランド化や利益の向上を見込むことが、マーケティングオートメーションなのです。

これは言い換えれば、「より良い見込み客の育成」ということになります。自社の施策で獲得した見込み客群をデータでまとめ、それを選別しながらそれぞれの見込み客に合ったタイミングでコンテンツを伝えることにより、より高い興味を持たせた状態で営業へ名簿を引き渡したり、来店や購入を促進させるような施策を打ったりすることができるようになります。

マーケティングオートメーションの起爆剤になった、Sansanの名刺管理サービス

Sansan CM 営業を強くする名刺管理Sansan「面識アリ」篇 30秒 - YouTube

皆さんはこのCMをご存知でしょうか。松重豊さんの「早く言ってよ~」のセリフでおなじみのシリーズ、Sansan株式会社の名刺管理サービスのCMです。これはマーケティングオートメーション(MA)の起爆剤とも言われています。MAは、あらゆる施策により集めた顧客情報を、よりよい見込み客に育て、コンバージョンに近づけることを目的に掲げています。

このサービスは、その“集めた顧客情報”を管理してくれるサービスです。どんなにいいサービスがあっても、良い見込み客を育成しようとしても、そもそもお客様が見つからなければ意味がありません。このSansanのサービスはその部分を管理・可視化し、見込み客の選別や育成を行う“初めの一歩”を助けてくれるサービスなのです。

現在MAは2014年頃までの黎明期と異なり、大きく活用されています。顧客管理の他にもCookieなどを利用した各種デジタル広告や、LINEなどのコミュニケーションアプリ、CMSとの連携で顧客ごとに提示するコンテンツを変えたりと、多岐にわたる活用がされています。
適切な顧客管理により、顧客とより適切なコミュニケーションが取れるようになり、メール、アプリ等複数のアプローチ方法で、より効果的に見込み客を育てるということが可能になるのです。

集めた顧客情報を管理・可視化して気づきを与える -Sansanの名刺管理サービス

マーケティングオートメーション(MA)で可能になる、3機能を比較

1、見込み客の獲得(リードジェネレーション)

ここからは、マーケティングオートメーション(MA)の導入で可能になる3つのことを述べていきます。

MAが担う主な役割の1つ目は、見込み客層の獲得(リードジェネレーション)です。一般的に多くの企業は、展示会への出展、Webページ、広告、SNS、アプリ、営業の名刺交換などを経て、顧客の情報を集めます。MAではこの部分の自動化が可能になります。今までのテレアポ営業では、このリードジェネレーションに、「電話」という手段だけで多くの時間を割いていましたが、MAを導入すれば、様々な方法をより効率よく用いて、見込み客を獲得することができるのです。

2、見込み客の育成(リードナーチャリング)

2つ目は、見込み客の育成(リードナーチャリング)。こちらもMAが自動化してくれる分野の1つです。
“ナーチャリング”とは「育成」という意味で、マーケティング分野では「見込み客を顧客にする」という意味で用いられます。オフライン・オンラインで集めたリードに対し、メールなどでそれぞれの顧客に最適化された情報を送信し、検討度が上がったタイミングで、商談につなげることができます。

リードナーチャリングを行うためには、まず顧客のニーズをしっかり把握してからアプローチしていくことが重要ですが、マーケティングの自動化によって、どのようにアプローチするかの手順(シナリオ)を構成することができます。特に米国のマーケティングオートメーション・MAソフトは、このシナリオがとても緻密に構成できるようになっています。作られたシナリオがうまくハマれば、顧客の問題解決をスムーズに行えるだけでなく、顧客から見れば欲しい時に欲しい情報を与えてくれるということにもなるので、コンテンツだけでなく企業に対する信頼感・興味を持ってくれることに繋がり、その後の関係もプラスになることが多いのです。

このシナリオ構成こそが先ほどのOne to Oneマーケティングに欠かせない機能です。この機能によって異なったステージにいる顧客ごとに情報を制作し自動で発信を行います。ちょうどいいポイントで情報を提供することができる、マーケティングを次の段階へ推し進めることができる機能です。

3、見込み客の選別(リードクオリフィケーション)

3つ目はリードクオリフィケーション(見込み客の選別)です。リードクオリフィケーションとは、見込み顧客(リード)のうち、顧客となる可能性の高い層を選別することです。このプロセスを行うことで、購入の可能性が高い見込み顧客を集中的にケアできるようになり、より マーケティング効果を高めることができます。具体的には、問合わせや資料請求などのアクションをとった見込み顧客に対して、メール等でさらにフォローを行い、購入意思の確認や購入のネックになっている条件を把握し、セグメンテーション(グループ分け)、スコアリング(数値化)を行い、それらの情報をデータベース化していきます。これにより、見込み顧客が行ったアクションや反応を自動的にスコアリングできるようになるため、見込み度合いの可視化はオートメーション化し、さらに効率的に選別を行うことができます。

MAのその他の機能

他にもログの取得やメール送信結果の判定、メールなど各施策の効果などの管理も主な機能の1つです。SFA(営業支援システム)とリンクさせることで、営業への顧客情報への引き渡しも可能になります。

マーケティングオートメーション(MA)の4つのメリットを比較

1、自動化による作業の減少

マーケティングオートメーションで一般的に考えられるメリットは、自動化による作業の減少です。簡単な作業に割いていた時間を減らし、より時間をかけるべきところに時間をかけることができるようになります。また、こうした簡単な作業について回るヒューマンエラーも減らすことができるでしょう。作業効率化という観点から、生産性の向上、働き方改革へとつなげることも可能です。昨今では長時間労働に対して厳しい目が向けられていますので、労働時間の短縮は多くの企業が考えていることでしょう。MAは、そんな企業の手助けになるかもしれません。

2、ブランディング -自社のファンを増やす

2つ目は自社のブランディングです。マーケティングオートメーション(MA)は、良い見込み客を育てることですが、それは企業側からの目線です。良い見込み客を育てるということは、客側の視点からすれば自身の興味に合った情報が定期的に通知されるということです。上手なシナリオ構成から、見込み客に対して上手にサービスの魅力を提示し続けることが出来たら、その顧客は次第にコンテンツに興味や信頼感を抱くでしょう。うまくいけば今後も自社のコンテンツやサービスに興味を持ってくれるかもしれません。

3、情報の管理・操作性の向上

もう1つメリットとして挙げられるのが、情報管理性・操作性の向上です。情報管理性の向上で、今までは名刺だったり書類だったり、バラバラだったオフラインデータを一つにまとめて管理することができるようになりました。属人的な管理では過失が起こりやすく、時には先の動画(Sansanの名刺管理サービスのCM)のような大きな利益を逃してしまうことになりかねません。これはデータが統合されていなかったために生じたことですが、MA導入により情報操作性が向上し、データを管理・利用しやすくなるので、他の様々な施策にデータを使ったりすることもできるようなります。

4、営業とマーケティングの連携

もう1つ、営業とマーケティング部門の連携がより密になることもメリットとして考えられます。現在対応している顧客の状況や課題などをリアルタイムに共有することで、共通認識の醸成ができ、一丸となって課題に対応する環境作りが可能になります。

マーケティングオートメーションはここが難点!3つの検討ポイントとは

ここまでは、比較的MA導入のメリットについてご紹介してきましたが、もちろん、MA導入で課題が全てが解決するわけではありません。ここからはMAの留意点についてご紹介します。

1, 自社の「やりたいこと」ができるツールか?

最も気を付けるべきポイントは「自社のしたいこととMAツールがマッチしているのか」です。ひとくちにMAと言っても、海外のものから国内のものまで様々な種類が開発されており、それぞれに特徴があります。例えばオウンドメディアの運用を手助けしてくれる機能が入っている、他ツールとの連携が容易、分析機能が高い、など。値段に機能が比例するだろうという思い込みで焦って導入するのはあまりお勧めできません。それぞれのツールの特徴やメリット・デメリットを比較し、自社に適しているツールを選ぶことが必要です。

2, 使い手のマーケティングレベルに見合っているか

もう1つ、使い手のマーケティングレベルも導入の検討ポイントになります。価格の高いツールは高機能なものが多く、色々なことができますが、力量に似合わないものを導入しても宝の持ち腐れで終わってしまいます。また、ツールによって重点を置いている機能が異なるため、会社の規模やマーケティング部門の人数も判断の基準になります。新規顧客の獲得に強いツールもあれば、育成、選別が得意なツールもあります。会社の方針や今後の施策にマッチしたツールを選ぶことが大事です。

マーケティングオートメーション・MAを導入したのはいいが、結局使いこなせず、ただのメール作成ソフトで終わってしまっている…というのは割とよく聞く話です。ご自身のマーケティングスキル、今後そのMAツールでどのようなことをしたいかなどをよく考え、導入するかどうかの決定を行ってください。もしかしたらMAツールを使わないでもできるかもしれませんし、検討しているものより導入コストが低くて済む場合もあるでしょう。

3, 営業・システムなど社内の連携はスムーズにできそうか

もう1つ検討事項に加えたいのが、導入後の社内連携です。スコアリングやシナリオ運用をしてうまく見込み客の育成に成功しても、営業の現場で浸透しないケースもあります。既存営業フローへの影響はどのくらいか?システムの改修が必要か?その場合、開発部署の協力がすぐに得られるか?また、スムーズに導入を浸透させるには、獲得シナリオのロジックが明確かつ納得できるものであることも重要です。

今後この分野では、よりロジックに基づいたマーケティング活動を行うため、AIの“ディープラーニング”を取り入れたロジックの見直しが図られることが期待されています。「どういった理由でそのスコアやシナリオが作られたのか」ということを明確にし、営業とマーケティングの認識のズレをなくし、より密な連携が取れるようになることが期待されています。

今後の期待 -「人」に向けたマーケティングへ

AIの“ディープラーニング”を取り入れたその先に期待されるものは何でしょうか。
あらゆる場所から個人のデータを収集し、AIに学習させることにより生まれる、「人」に向けたマーケティングが待っています。顧客に寄り添う広告の実現は、従来の宣伝や広告とは違い疎まれにくくなる。そういったマーケティングが、MAツールによって可能となる日は近いでしょう。

マーケティングオートションを導入している企業を比較

ではここからは、マーケティングオートメーション・MAを導入してサービス向上へつなげている企業の事例を紹介していきましょう。

事例①BIZREACH(ビズリーチ)

「即戦力採用ならビズリーチ~こころの声篇~」(30秒)| ビズリーチTVCM公開中(字幕あり) - YouTube

こちらもよくテレビで見かけるCMです。ビズリーチのメインサービスは、即戦力を求める企業側やヘッドハンターと転職したい人材とが直接つながることができるマッチングサービスです。

ビズリーチはMAを導入し成功した企業ということで様々なWebサイトに取り上げられています。上記にもあるsansanの名刺管理サービスを導入していることでも有名です。

転職マッチング支援の場合、企業側(BtoB)と転職したい人材側(BtoC)両者の実態とニーズをいかに把握して対策を打っていくかが重要になってきます。特に人材側(BtoC)に対してはその人の人生設計にかかわるサービスであるだけに、多種多様なニーズや経緯があり、より個人に対するアプローチが必要になります。このため、上記にもある「One to Oneマーケティング」や「人」単位のマーケティングが重要になってきます。

一方で転職マッチングを支援する人材業界の手法としては、企業側が求人広告を掲載し、人材側は内容を見て応募をする求人媒体によるものと、企業側からの依頼と登録人材のマッチングを仲介する人材紹介(会社・ヘッドハンター)によるものとが主でした。ビズリーチはその両方を併せ持つ採用手法として、従来なら紹介会社のみが閲覧できていた人材データベースを企業側に解放。そして登録会員も企業の求人情報を自由に見られるようにしました。その上で、企業からの「スカウト」、人材からの「応募・アプローチ」といったアクションで直接やりとりすることを可能にしました。これはまさに、より個人に対してのアプローチを強めるOne to oneマーケティングに沿ったビジネスモデルと言えます。

さらにビズリーチは、マッチングがうまくいかず課題を抱えている会員をMAツールで割り出し、その会員に向けて、プロフィール変更促進などの支援情報をメールで促すといった施策を行っています。それによって、企業が検索したときに希望するスペックの人材プロフィールがヒットしやすくなり、また会員も自分に向けた求人だと感じるようになり、マッチングの確率を高めることができるわけです。

ビズリーチの企業公式ブログでは、ブロダクト開発部署のプロダクトマネージャーによる顧客に寄り添うマーケティングへの想いや取り組みが読み取れます。

マーケティングのこれから
ここまでマルケトに関する説明が大半のように感じられた方も多いと思いますが、この記事で私がお伝えしたいのは、以下のポイントです。

・マーケティングする側、される側といった垣根がどんどん融合されてきている
・競合他社ともむしろ協力して、それぞれの顧客にそれぞれの最高な体験を提供することが、ますます重要になってきている
出典:THE MARKETING NATION SUMMIT 2017で講演&Marketoチャンピオンを受賞しました! - Reach One|株式会社ビズリーチ(BizReach)【企業公式ブログ】

事例② マネーフォワード:細やかなユーザーとの会話をマーケティングオートメーションで実現

次にご紹介するのはマネーフォワードです。「楽すぎる家計簿」というCMで有名になった自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』は、2017年9月に利用者数が550万人に達しました。『マネーフォワード』はBtoCのサービスですが、それとは別にBtoBのサービスとして『MFクラウドシリーズ』という会計や確定申告を行うサービスも提供しています。「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションにもとづき、個人も法人も、すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供しています。

『MFクラウドシリーズ』の1つである「MFクラウド会計」から先駆けてMAツールが導入され、細やかにパーソナライズされたメール施策により、有料会員化の促進につながったようです。現在では、同シリーズの他のプロダクトにも#マーケティングオートメーションのツール活用を展開しています。

法人、個人向けの様々なお金に関するソリューションを提供するというマネーフォワード。MAを活用し、細やかなユーザとのコミュニケーションと、マーケティング施策の効率化を実現している事例と言えます。

事例③ カシオUK:顧客の悩みを解決するマーケティングオートメーションへの取り組み

続いての事例はカシオUKです。こちらは、あの腕時計メーカー「カシオ」のイギリス・アイルランドにある海外部門になります。「カシオ」と聞いて、消費者が一番思い浮かべやすいのは腕時計ですが、それ以外にも電子ピアノ、電子辞書、プロジェクター、カメラなど様々な機材を製造しています。またtoBにむけて運送業者などが使う携帯端末などの開発も行っています。

同社はかねてからMAを使っていましたが、チームの規模感とうまくフィットせず、満足感はありませんでした。そこでMAを再検討し最適なものへ変更しました。そしてデータベースの統合や顧客の興味に合ったコンテンツを配信しリードの育成などのデジタルマーケティングの改革を行っていきました。他にも顧客の悩みを解決しながらデータを収集するシステムをWebに取り込んだりと、マーケティングオートメーションを使って行える施策の多くを実践していきました。

更にtoBに向けてはMAが提供しているCRMのサービスを用いて顧客関係の改善を図っていきました。さらにA/Bテストの実施も行い潜在顧客に自分たちのことを知ってもらえるアプローチ法も取り入れたようです。次第にマーケティングチームの改善も図られ、分析機能やレポート機能を上手に活用することから優先順位を付けて仕事に取り組むことができるようになったとのことです。

その結果見事業績は伸び、WEBトラフィックは12%アップ、リードは496%も増加することになりました。リードの質も向上しセールスに引き渡せるリードも増加し、実際の利益は9%の向上となりました。更に計算機部門では売上26%アップにもなり、MA導入の成果がしっかりと表れた形になりました。

今回のカシオはtoC、toBどちらも事業として行っており、マーケティング活動が複雑で難解なものになると思われる一面もありますがtoCにはデータ収集からのリード育成、toBには分析、検証から更に関係を維持し続けることで成果を上げることができました。自動化やデータ統合などからチームの改善が図れたまさしく成功例であると言えます。

事例④ Egecia:ビジネスマンの出張をシナリオ機能で最適なプランを提案

4つ目の事例はEgeciaです。これは海外のビジネス旅行代理店であり、Expedia(エクスペディア)という日本でも使える旅行予約サイトの運営するビジネス旅行版です。提供するサービスは画一的な旅行プランではなく1人ひとりにカスタムできるオプション機能であったり、現地に行ってからの手厚いサポートが魅力です。

彼らがMAを使って達成する目標に掲げていたのが、新たに需要を生み出すキャンペーンを作って自動化させることや、組織の関係改善、マーケティングの効率化、リードとの信頼関係の構築などでした。彼らのマーケ担当は営業に対して、メールよりも効果的な顧客とのコミュニケーション方法を伝える必要があり、逆に営業はその方法と有効なリードのリストを欲していました。二者の間でギブアンドテイクが成立していたのです。

彼らはマーケティングオートメーションを導入し、メール部分の大きな改善を図りました。ただのメールを数時間かけて送るのではなく、シナリオの作成から、それに必要なコンテンツであったり、ツールを準備し顧客とコミュニケーションをとっていくようになりました。そうすることで顧客との関係改善も図れるようになり、キャンペーンの調整も容易に行えるようになったとマーケ担当者がのちに述べています。

すると結果はアカウント開設率が導入する前の1.5倍、メールのオープンレートも38%アップ、クリック率も7.8%向上という成果を出すことができました。彼らは自社の目標とMAでやりたいことがとても明確に決まっていました。そのためうまくMA導入を成功させることができたのだと思われます。そして顧客との関係性の向上という部分もMAの導入目的としてふさわしいものの1つで、サービス業など信頼を得ることも自社のサービスを利用してもらうことに大きくかかわるポイントです。そういった事業を展開する企業には今後を勝ち抜いていくための施策としてMAはかなり有効なのではないでしょうか。

マーケティングオートメーションのツールを導入した企業を4つご紹介しましたが、こうした成功事例を見ると、自分たちの目的は何かを考え、目標をもってMAツールを選んでいるようです。自社のスピード感にマッチしたものや、やりたいことがきちんとできるもの、組み合わせるとシナジーが生まれるものなど、しっかりとした下調べと計画がMAの導入には必要であると言えるでしょう。

最強のマーケティングオートメーション11選のメリットを比較!

ここからは、実際にどんなMAツールがあるのか見ていきましょう。

① Marketo(マルケト):大手主体のマーケティングオートメーションの提供

マルケト社のトップページを開くと「マルケトは世界6000社以上が採用するマーケティングオートメーション(MA)のマーケットリーダーです。」とある(2018年1月現在)ように、MAの草分け的存在です。先に紹介した導入企業の2社も、マルケトを使って自社のマーケティングをより良いものへと変えています。今回の記事内で取り上げはしなかったものの、その他の導入企業にPCメーカーのVAIOや富士通、野村不動産や森ビル、NTT東日本など名だたる企業がこのマルケトを導入しています。

マルケト社は2006年に誕生し、とにかく見やすい、わかりやすい操作性の良さを売りにしてきました。メールマーケティングをはじめ、予測とスコアリング、リードの管理などMAの機能をとにかく使いやすく、シンプルに備えています。考えたことをすぐに実行できるわかりやすさが特徴ですが、その反面できることが多すぎて、最初はどうすればいいのか悩んでしまう場合もあるようです。できることが多いということは一つの設定したゴールに対して、アプローチの方法も沢山取れるということです。使い続けて慣れると同じ目標でもより効率的な達成方法を発見できることもこのMAツールの素晴らしいポイントです。

加えてマルケトを導入した場合、コンサルティングサービスも料金プランの中に組み込まれています。製品の導入から実行、最適化、さらに運用開始後の活用支援を行ってくれます。また別途料金がかかりますが、トレーニングという形でマルケトの使い方を支援してくれるパッケージもあります。

機能面での充実や付け加えられているサービスの内容もあり、料金はほかのMAツールと比べると1か月あたり40万円~と高額なものになっています。このツールを使って名だたる企業が成功事例を挙げていますが、気を付けなければならないのは自社の規模感や使い手のマーケティングレベルの把握、やりたいことを明確にして取り組むことが大切であるということです。

②pardot(パードット):salesforceのCRMツール連携に強いマーケティングオートメーション

2007年にアメリカで創業したPardot社が提供を開始したサービスで、“pardot”の意味はラトビア語で「市場に出す」「販売する」という意味だそうです。デザインがシンプルで使いやすく、海外では主に中規模以降の会社からの評価が高いようです。

2012年、ExactTarget社により買収され、2013年にはクラウドベースのCRMベンダーであるsalesforce社がExactTarget社を買収したことにより、現在ではsalesforce社のMAサービス製品「salesforce pardot」となっています。

導入事例を見ると、先だってSales Cloudを導入し営業活動の効率化をしている企業が、Pardot導入によりSales Cloudに入力された顧客データをスコアリングし、効果的なメールマーケティングにつなげるといったものもあり、営業部署の人員や活動内容を大きく変えずともリストへのアタック精度が上がり、営業効率が向上すると考えられます。

MA導入における営業との連携の重要性は先にも述べました。特に中小企業では人員が限られているため、MAから営業への橋渡しが行いやすいということは、極めて重要なポイントになります。会社の規模は大きくても、そこに課題を感じていたり、チームの連携を大事にしたいという企業にはおススメのMAということができます。

ランディングページやフォームの作成が直感的で使いやすいのも特徴で、資料請求やセミナーの申し込みといった入力フォームもドラッグ&ドロップで自由に設定・変更できます。さらに顧客の何らかのアクションと同時に営業担当にメールが飛ぶといった設定もでき、リアルタイムな営業活動につなげることが可能です。メール機能では、ABテスト機能、パーソナライズ機能、シナリオメール機能といったOne to oneマーケティングに沿った取り組みも簡単に行えるようになっています。

またBtoBのみならず、BtoCのサービスでも導入されており、とりわけ車や不動産、ラグジュアリーな旅行といった、高額で購入に踏み切るまでの過程が長く、他社との比較を行う商材に有効です。消費者としては、あらゆる情報を調べてから購入に至ろうとしますが、そこで比較対象との優劣や悩んでいるポイントを的確に示すことができれば、顧客も満足な状態で購入に踏み切ることができると言えます。

③Hubspot(ハブスポット):総合的なマーケティングプラットフォーム

3つ目はHubspot(ハブスポット)です。本社は2005年に創業し、2014年にソフトウェアを日本語化、2016年9月に日本法人を設立し、本格参入を果たしました。

ハブスポットはマーケティングオートメーション・MAだけではなく、集客から転換まであらゆるマーケティング機能を集約した『Marketing Hub』、営業効率向上のためのセールスソフトウェア『Sales Hub』、インバウンド型の顧客サービスを提供するカスタマーサクセス機能『Customer Hub(2018年リリース予定)』をつなぐ、総合的なプラットフォームを提供している会社です。

現在では『HubSpot CRM』というサービスを無料提供しており、セールスファネル全体の最新情報を確認できたり、成立した取引と失注した取引とを分けて管理できたり、カスタムフィルターを使用して項目ごとに並べ替えることで、次に必要なアクションを素早く見極められます。

他にも営業が行った電話やメール、SNSなど、あらゆるコミュニケーションを連携させることでリアルタイムに記録することができます。「社内で重複してコミュニケーションをとってしまった」とか「メールを送り忘れていた」というミスをお互いに監視しあって無くしてくことができます。

実はこのハブスポットは「コンテンツマーケティングに向いているMA」とも言われており、『Marketing Hub』ではWebの構築も可能です。初心者でも簡単に作成でき、閲覧・クリックしたくなるようなサイトを作ることができるという特徴があります。本格的なランディングページを簡単に作ったり、適切なインフルエンサーにシェアして注目を集めるといったことができます。

そして大きな特徴は、営業支援サービス『Sales Hub』を含め、この3つのサービスのどれもが0円から始められるという点です。機能は充実しているが、その分費用が高くなることが多いMAツールの中で、初めてMAを使う方や予算が少ないといった方にも「まずは」と勧められるツールということができます。

④Oracle Marketing Cloud(オラクルマーケティングクラウド):中国圏にも対応するMAツール

続いてはOracle社のMAです。もとは『Eloqua』という名前のツールでしたが、現在は『Oracle Marketing Cloud』となっています。「よりパワフルで使いやすく」をテーマに掲げ、メールからディスプレイ広告まで、様々なチャネルを幅広くカバーできることが魅力の1つです。さらに中国のソーシャルメディア『wechat』との連携も可能になり、中国圏での活躍が見込まれています。

海外で人気が高いポイントは、シナリオ制作の簡単さと、あらゆる事態に柔軟に対応ができるという部分です。
機能が多くなるほど操作が複雑になり、値段が増していくMAは多いものですが、できることが多くても簡単なのは大きな強みです。ただ、HTMLが使えないと多少手詰まりとなる部分もあるので、自社の担当者の中に対応できる人物がいるかどうか確認の上、導入を検討することをお勧めします。

さらに今後はBtoCにも対応する予定があるとのことで、今後ますます注目が集まるMAとなるでしょう。

⑤Adobe Marketing Cloud(アドビマーケティングクラウド):クリエイティブに強いMAツール

次にご紹介するのは、あのAdobe社が提供しているMAです。Adobeといえばご存知のように『creative cloudシリーズ』を提供している会社で、動画編集やデザインなどの第一線で活躍している人々の間でも盛んに使われています。そんなAdobe社が提供するものだけあり、極めてクリエイティブとの相性がいいツールです。

また、マーケティング担当者、開発者、デザイナー、アナリストなど異なる役割の人がコラボレーションするための共有機能も用意されています。自社の部門ごとのつながりを改善できるというのはMAを導入する際のメリットとしてもよく聞きますが、営業ーマーケティング部門間での話が基本です。開発、マーケティング間の環境にまで影響を及ぼすことができるというのは、あまり他のツールには存在しない機能です。

⑥IBM Watson Campaign Automation(アイビーエムワトソンキャンペーンオートメーション):メールマーケティングに強いMAツール

次にご紹介するのは『IBM Watson Campaign Automation』です。米国でメールマーケティングの先駆けであったSilverpopを米IBMが買収し、自社のMAとして変化を重ねていきました。もとがメールマーケティング中心のツールでそのノウハウの蓄積があるため、現在でもメールマーケティングに軸足を置いた製品になっています。

チャネルをまたいだ顧客の経験、ユーザーエクスペリエンスの向上に重きを置いており、メールから始まる顧客とのコミュニケーションの改善を図ることができます。またシナリオのコンテンツの制作の際にも、このMAツールからクリエイター側へ依頼を送信できたり、コミュニケーションが取りやすくなる工夫も盛り込まれています。また、シナリオ制作は基本的な操作だけで完了するため、初心者でも扱いやすい、という強みがあります。

⑦SHANON MARKETING PLATFORM(シャノンマーケティングプラットフォーム):シェアNO1の国産MAツール

次は『SHANON MARKETING PLATFORM』です。こちらは日本発のマーケティングプラットホームです。国内では規模感の大きいツールで、7年連続でシェアNo.1に輝くなど、数字から実力を窺い知ることができます。この企業はセミナー管理などのサービスからスタートし、徐々にサービスを拡大させ、現在ではソフトウェアを通してマーケティング支援を行う企業になりました。

スタート時にはセミナーの運営支援程度だったところから、現在ではメールでの情報発信からセミナーの予約フォームの制作、参加者の管理、当日の参加者の受付まで支援してくれます。この機能は日本のBtoB業界の販促の仕方に深く関わっています。日本企業の多くでは、現在でもこうした展示会やセミナーなどのリアルでのタッチポイントがいまだ成約が生まれるきっかけとして大きな役割を果たしているという事実があります。

取引先は日本の大手企業が多く、リピート率も96%と高いのですが、その理由は、シャノンマーケティング特有の充実したサポート体制が要因となっています。海外レビューなどでは、こうしたアフターフォローの手厚さもしっかりと評価されています。この背景には、日本ではマーケティングテクノロジーの導入が米国と比較して遅れていることから、サポートを手厚くし、顧客の声をしっかりと汲み取る必要があったのでしょう。ここも日本企業の提供するサービスらしいポイントであり、他の製品にはない部分でしょう。

⑧b→dash(ビーダッシュ):LINE連携も可能なMAツール

次にご紹介するのは『b→dash』です。こちらも日本企業から生まれたマーケティングプラットフォームです。「プラットフォーム」なので幅広い機能を搭載していますが、現在開発中の機能もあり、これからまだ成長していくという雰囲気を感じさせます。このツールを検索すると、社長のインタビュー記事も数多くヒットし、デジタルマーケティングの業界から注目されていることがわかります。さらに最近は人気お笑いコンビ おぎやはぎ の出演するCMを流していたり、とにかく勢いのあるツールです。

そんな『b→dash』のツールの特徴は分析力にあります。Webのアクセス分析はもちろんのこと、このツールを用いて作成したアプリなどのアクセス分析を行うことができるようになっています。顧客分析ではユーザーがどこからきてどのように回遊し、どこで離脱していったのか、どのキャンペーンに興味を持ったのか、どのタッチポイントが一番有効かがあらゆる手法から分析できるようになっています。

更に、もはや誰にとっても一番身近なコミュニケーションツールとなったと言っても過言ではない『LINE』との連携も行えるようになっています、コンテンツを配信する上で、メールマーケティングも確かに有効ですが、やはり多くの人にとって、メールを見る時間が『LINE』を見る時間に推移したのは疑いようのない事実でしょう。『LINE』でコンテンツを配信することが出来たら、目に触れる確率が高いのは想像に難くありません。今後も注目が集まるマーケティングツールです。

⑨@Concierge(アットコンシェルジュ):集客に強くCV率向上させるのに強いMAツール!

集客に強く、コンバージョン率を向上させる機能を詰め込んだMAツールです。

こちらも国産のツールで「誰でも使える」というコンセプトのもと、簡単に使えるMAを目指しており、CMS(コンテンツ管理システム)を備え、コンテンツマーケティングを展開していくことによって、同時に新規顧客の獲得も行う事が可能です。また、既存の広告配信と連動することで広告成果を飛躍的に向上させることも可能になっております。

さらにBtoBだけでなくBtoBtoCでも運用していくことが可能で、幅広い分野での活躍が考えられます。

このMAは魅力的なコンテンツの配信をすることができ、ブログ記事のような文章コンテンツだけでなく、視聴に手間取らない動画などを連携させ、様々な形で商品の魅力を伝えることができます。MAを運用していくうえで、コンテンツの充実度はとても重要です。多ければ多いほど様々なユーザーの要求に対して答えることができ、シナリオ制作の有効度が上昇するからです。

このMAはコンテンツ管理の機能が組み込まれているため、導入してからでもコンテンツの充実を図ることができます。コンテンツマーケティングによる、ファンベースのマーケティングやユーザーとの絆、関わりを大事にしながらマーケティングを進めていきたいという企業にはマッチ率が高いMAと言えるでしょう。

また、Marketなどの有名MAでも得意としない、匿名顧客へのアプローチや広告連動をすることにより、モチベーションの高い集客を確保することが可能など、デジタルマーケティングの集客から商談までを一気通貫で行えてしまうツールは非常に珍しいといえるでしょう。

⑩SATORI(サトリ):特定できないユーザーアプローチに強いMAツール

こちらも日本のMAです。日本のMAとしては有名で200社以上との取引があり、Webサイト上にも導入実績が数多く紹介されています。お客様の気持ちを「さとる」ことでデジタルマーケティングを行っていくという考えから、この名前になったそうです。

このMAは一般的なMAの機能を備えつつDMPの機能も装備しており、外部データとの統合からまだ見ぬ見込み客へのアプローチが容易に行える、という点が強みになります。他のMAに比べると集客能力が高いためか、急成長しているベンチャー企業の導入事例なども紹介されていました。個人が特定できないユーザーに対するアプローチが得意なので、ハイレベルなセグメントから、社内Webページでのコンテンツの出し分けなどの分野で他のMAより高いレベルでこなしてくれます。

⑪kairos3(カイロス3):最安値のMAツール

こちらも日本企業より生まれたMAです。「すべての企業をマーケティングカンパニーする」という目標を掲げ、「始めやすく理解しやすい」「導入コストが安い(初期費用 1万円、月額 5,000円~)」を特徴としています。

セミナーや展示会などのフォローアップ、そこで獲得したリードへのアプローチから、購買意欲の高まっている休眠顧客の見つけ方、アプローチの仕方など、BtoBの日本企業向けに備えられた機能が豊富にあります。また、現在ExcelやAccessなどで顧客管理をしていても、このツールにスムーズにデータ移行することができるため、MAの便利さがすぐに実感できるかもしれません。

展示会やセミナー集客の受け口となる予約フォームを簡単に作成したり、その後、展示会に来た顧客をホットリードとして育成するための仕組みも存在します。上手く育成できれば他企業との差別化も計ることもでき、成約プロセスがグッと近くなります。

また、育成に必要なメール等のコンテンツの制作機能も搭載しており、HTMLメールも簡単に作ることができます。もちろん、効果測定機能もついているので、きちんとシナリオが組み立てられたメールマーケティングが可能です。初期費用1万円から始められるということもあり、導入への敷居が低く、ベンチャー企業から、社内でまだデジタルマーケティングへの認知が少ない企業まで、どんな企業でも導入しやすいソフトになっています。

マーケティングオートメーションがBtoBから浸透している理由

ここまで読み進められた方の中には、「MAの対象は、なぜBtoBが多いのだろう?BtoCの事例はないのだろうか?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。ここからはその理由を書いていこうと思います。

そもそも、これらマーケティングオートメーション・MAツールの多くが BtoB向けとして世に出されている背景には、機能の多さから、導入費用が高額になりがちであるという点があります。そのため、費用対効果の観点から、一消費者に対してサービスを展開し、コストに対してリターンが少ないBtoCよりも、BtoB向けが発達してきました。つまり海外MAツールでのBtoCの運用は、「費用対効果、コスパが悪い」というのが現状なのです。


またBtoBとBtoCのビジネスモデルの違いも大きく関係しています。BtoCは主に消耗品などの商品をリピートしてもらい、利益を生んでいくモデルであるのに対して、BtoB向けは1サービスあたりの値段が高いものを契約してもらい、利益を生み出します。BtoCの利益は、農家が作る農作物に例えると分かりやすいかもしれません。1つの畑から何年も繰り返し作物をつくり、収穫し、農作物1つあたりに小さい利益が生まれます。

一方、BtoBの利益は「1本の大きな木」というようなイメージです。林業ともいえるでしょうか。木が育つ土地をしっかり作り、もともと1本の苗木だったものから人間の背を優に超えるような立派な木が育ちます。農作物より時間がかかりますが、大きい成果物を作り出すことができます。

BtoCでは、まずどのように初回購入まで漕ぎつけるか、その次は2回目の購入を促し、リピート定着させる、というサイクルを回していかねばならず、BtoBと比較すると1回あたりの購入単価も低く不安定です。一方 BtoBの場合は、1度成約すると安定して毎月決まった契約料が入りますが、その分商材が高額で社内の合意が必要になるなど、検討開始から成約までの時間がかかります。時間がはかかるが、その分リターンも大きいというわけです。

「MAツールの機能」の箇所にもあるように、MAの機能の中には、見込み客の育成・選別などの機能があります。MAは顧客と向き合うことを効率化したり補助したりしてくれるツールです。そうした点から、1つの顧客と長く向き合っていくことが必要になるBtoBのビジネスモデルと親和性が高く、そちらの方へMAツール業界が伸びていったと言えます。

しかし、Hubspotのように低価格で使えるツールも増えてきたため、費用対効果の点でクリアできる場合も増えてきました。また、リアルとネットを横断して顧客行動の情報を取り、One to oneのマーケティングを可能にしてくれるツールも開発されているため、これからはBtoCに対してのMAも盛んになってくることと考えられます。

BtoCにも進化がおこる?プライベートDMPになり得るマーケティングオートメーション

これまでBtoB向けのイメージが強かったMAツールですが、BtoCにも利用が広がりつつあります。「顧客が商品の購入をする時、様々なコンテンツを見ることによって脳内意識が高まり、行動に移していく」 ─ 上記のような流れを造りだすのが一般的なマーケティング手法であり、これまでは、これを行うのに相当なコストがかかっていました。しかし、それを大規模システムなしでできる時代が今なのです。

これを実現するのが「プライベートDMP」、つまりMAツールです。顧客は商品を買うとき、様々なコンテンツをみながら購入していきます。例えばあるお店で「特定の5つのコンテンツを見ると購入に繋がりやすい」というデータがあったとき、MAツールで「いくつコンテンツをチェックしたか」でCookieに印をつける「情報スタンプ」という機能を使って選別を行い、顧客がホットな状態のうちに、シナリオに沿って、顧客の興味に応じた特定のコンテンツを自動配信することができます。

マーケティングオートメーションはBtoBに特化したサービスではなく、ECなど低価格の商材にも対応できるツールであり、これまでの煩雑なオペレーションを簡素化できるツールに進化しています。

2018年はマーケティングオートメーション(MA)がキーワードに!

コンテンツマーケティングに始まり、それを自動化するマーケティングオートメーション、そして、AI、DMP(データマネジメントプラットホーム)の連携と、さらなる進化を見せているMAツール。今後もITが、より多くの企業マーケターの適切なクライアントを発見していく手助けをしていくでしょう。

昨今では多くの企業のMAに対する意識が急速に向上しており、トライアル版を使用しているマーケティング担当者も多いようです。よって、無料版を試してみたいが〇〇〇というような質問よりも、無料トライアルを試してみて、その後どうするか、という内容の質問が多くよせられているようです。多くのマーケティング担当者のMAに対する意識がステップアップしています。

デジタルデバイスの発達により、多くの人たちが自身で情報を仕入れ、比較検討するようになった現代において、多くのユーザーは「自分だけの体験」というものを求めています。そのため、しっかりと見込み客を管理し、顧客に沿った情報を提供するMAツールは、現代に求められているツールということができるでしょう。

MAツールに対してマーケティング担当者たちの意識は大きく変わってきています。とりあえず無料版を試してみて…、ということも大切ですが、自分たちの置かれている状況と目的地、到達点であるゴールを明確にした上での導入をお勧めします。

MAを魔法のツールにするのも宝の持ち腐れとしてしまうのも、すべてはそこにかかっているといっても過言ではないでしょう。

今回はマーケティングオートメーション(MA)について、掘り下げながらご紹介してきました。MAは実際何をしてくれるのか。2018年にマーケティングオートメーションを導入し成功していくためには、どうしたら良いのかがお分かりいただけたかと思います。まずは、成功した企業の手法を理解していくことが大事だと思います。MAは、決して導入しただけで成果が上がる魔法のツールではありません。導入にあたっては、しっかりと自社の現状を分析し、目的を明確にしたうえで、自社に合ったツールを調査・選択し、綿密なシナリオ設計を行い、運用し続けることが重要です。

明確な目標を掲げて導入することで、顧客が求める体験、サービスを提供することが可能になり、その結果、MAが今まで手の届かなかった数字や目標に到達する手助けになるでしょう。

近江商人の心得に「三方良し」という言葉がありますが、このMAはうまく使いこなすことができれば、この言葉を実現することのできるツールであると言えるでしょう。

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