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コンテンツマーケティングで「気づいてもらう?」日本がマーケティング後進国な理由を考える。

コンテンツマーケティングによる得られる結果をひもどき、「気づいてもらう!」ためのノウハウを確認しながら、国内で依然として旧来のセールス手法に変化が起こらないかを考察していきましょう。

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目次

「コンテンツ」で共感を得る「マーケティング」

コンテンツマーケティングとは、見込み客をウェブサイトに引き付け、資料請求や商品やサービスの申込みを行ってもらうマーケティングの手法だ。見込み客を引き付けるために、ブログ、ポッドキャスト、動画、オンラインセミナー、PDF形式の小冊子、ホワイトペーパーなど、顧客が読みたくなるコンテンツを作成していくことが重要である。このように、コンテンツマーケティングが重要な役割を果たすことから、コンテンツマーケティングと呼ばれている。

セールスマンは、なぜ嫌われるのか?

「こんにちは、〇〇商事のものです!」
静まりかえったオフィスにセールスマンの声が響く。「また来たか」と顔を見合わせる社員。日本中で繰り返されるおなじみの飛び込み営業の風景だ。
セールスマンは、なぜ嫌われるのか?それは興味がないものを売り込もうとしているからだ。インターネットが普及して、誰もがクリックひとつで情報を検索できる時代。「ネットを使って自分で調べて連絡するのに、どうして勝手にうちの会社にくるのだろう?」こう思われてしまうのも無理ない。
もし、あなたが「売り込み型」のマーケティングやセールスを手掛けているとしたら、もはや時代遅れになろうとしている。ネットの普及で飛躍的に情報収集力が上がった顧客は、自分で情報検索をして、自分で購入を決めるようになった。あなたも気づいているはずだ。今までの営業手法が全く効果を生まなくなりつつあることに。

顧客に商品情報が届かない理由

メールやDM、ファクシミリ…。
見込み客と思った人々に商品情報を送り届けているはずなのに、以前ほどの反応が返ってこない。最近、多くのセールスやマーケティングの担当者が共通に感じていることではないだろうか。なぜ、従来の情報発信手法は、芳しい効果を得られなくなったのか?
それは、似たような大量の商品情報が顧客の手元でスパム化しているからだ。
信じられないかもしれないが、新しい時代のマーケティングのキーワードは「商品を売り込まない」である。
商品を売り込まずに、顧客から商品を見つけてもらう――。
自社のウェブサイトやブログは、そのための強力なツールだ。従来型のマーケティング手法を捨てて、新しい時代の合った情報発信手法に切り替えること。そうしなければ、巨大な隕石による環境の変化で恐竜が絶滅したように、あなたの商品や会社は姿を消していくことになるだろう。これは脅しではない。本気である。

「いいね」が、スーパー口コミ社会を生み出した

「あのラーメン屋さんは、美味しかった」「新しいスマホを買ったけどすぐ壊れた」――。
知人や友人がソーシャルメディアで投げ掛けたひと言を食事や商品購入の参考にしたことはないだろうか。生活者の購買行動は大きく変化している。例えば、ネットショッピング。
「安くていいもの」を求めて、誰もが買い物をする前に「価格.com」「食べログ」のような口コミサイトのレビューをチェックする。「Facebook」や「Twitter」で生活者がどんどん書き込む口コミ情報の広がりは、「スーパー口コミ時代」を生み出した。
今まであなたの仕事は大手メディアに広告を出稿し、商品やサービスを売り込みことだったかもしれない。しかし、これからは違う。「生活者に”良い口コミ”を発信してもらうためには何をすべきか」の重要性が増している。そのために何もしていないとしたら、あまりにも無防備と言えるだろう。

お金を使わずに売り上げアップ?

「予算が少ないから広告宣伝ができない」
「ニッチな商品だから、マスメディアに広告を出してもあまり効果が見込めない」
大手企業の戦略商品でもない限り、マーケティングやセールス担当者の多くが共通に抱える悩みだろう。では、従来型の広告宣伝に比べて費用対効果を改善できる販売促進の手法はあるのか?
質の高い顧客を効率的に集めることができ、少ない資本でも取り組める手法は?
これらを実現するためには、お金ではなく知恵を使うことが肝心だ。カギは、自社のウェブサイトやソーシャルメディアである。そこで質の高い情報を発信していき、顧客を集めて売り上げを増やしていく方法。それが、「コンテンツマーケティング」だ。予算が十分ではなく、お金をあまり使わずに売り上げをアップしたい人の味方になる魅力的なこの手法を、本書の中で詳しく見ていこう。

商品を売らない8つの理由

どのようにしたら商品を手に取ってもらい、購入してもらえるか。これまでのマーケティング戦略は、商品をどう売るかに注力してきた。しかし、コンテンツマーケティングでは“商品を売らない”。その8つの理由を見ていこう。

なぜ、商品を売ってはいけないのか

「商品を売るな」という書名に「なぜ?」と思って本書を手に取った方も多いはずだ。生活者は広告を中心としたこれまでのマーケティングを無視するようになっている。テレビCMはスキップされ、雑誌や新聞はそもそも購読しなくなった。代わって生活者の情報収集手段になったのが、インターネットだ。ただ、インターネットでもバナー広告のように強制的に表示される宣伝手法は、邪魔なものと見なされ嫌われている。従来の手法の効果が薄れる中、先進的なマーケッターは生活者に合わせた新しい手法の必要性に気付いている。その手法が商品を売らない、コンテンツマーケティングだ。

1.広告宣伝費を抑えられる

コンテンツマーケティングは投資対効果が高い。マスメディアに広告費を支払って宣伝する代わりに、自社メディアで自ら情報を発信することで費用を圧倒的に低く抑えられるのだ。

テレビや新聞、雑誌、ラジオといったマスメディアの広告を利用するには、多額の広告宣伝費がかかる。例えば、人気テレビ番組のワンクール(四半期)でCMを放映すると1億~2億円程度、国内最大のポータルサイト「ヤフー!ジャパン」のトップページに大型広告を1週間掲載すると最低で850万円という具合だ(「Yahoo! JAPAN ブランドパネル トリプルサイズ」の場合)。
一方、ブログなどの自社メディアにコンテンツを掲載するコンテンツマーケティングでは、広告宣伝費を大幅に削減できる。海外では、コンテンツマーケティングはマスメディアの従来型広告に比べて費用を6割削減できるという調査結果もある(米ハブスポット調べ)。見込み商談1件当たりの獲得コストについては、「(自社)ブログが割安」という回答が半数以上になっている。

2.オピニオンリーダーになれる

業界動向に詳しく、専門知識も豊富。信頼が厚い人の意見は業界の新潮流をつくっていく。こうした影響力のある存在を「オピニオンリーダー」と呼ぶ。コンテンツマーケティングを続けることは自らをオピニオンリーダーに成長させる。

AさんとBさん、2人のカーペット販売業者がいるとしよう。2人のマーケティングの取り組みは対照的だ。Aさんはカーペットを販売するためにカラフルなチラシを使って集客し、特売セールを頻繁に開催した。一方、Bさんは、商品を売り込まなかった。カーペットの選び方や特徴、カーペット全般の情報を顧客に提供した。
あなたはどちらのカーペット販売業者を信頼し、カーペット選びについて相談したいだろうか。恐らく、専門知識が豊富で、生活者の必要な情報を惜しげもなく提供してくれるBさんだろう。
自分の専門領域について詳しい知識を持ち、かつ最新情報もキャッチし続けている人は、コンテンツマーケティングに向いている。そして、生活者が求める情報を適切に選び、分かりやすく伝えられる人は、その業界の中で信頼を得ていく。
信頼を得られるのは、顧客からだけではない。同業者や関連業界からも「あの人の発言はチェックしておこう」と注目されるようになる。テレビや雑誌などで関連分野の話題を特集する際に、意見を求められることも出てくるだろう。こうなれば、もはや多額の宣伝費を支払わなくても、メディアへの露出が可能になるのだ。ここまでくれば、あなたの発言が影響力を持つようになり、あなた自身が業界全体を引っ張っていく「オピニオンリーダー」になる。

3.顧客に嫌われない

従来の広告宣伝では、人々の関心うぃ得るために情報を一方的に送り付ける方法が主流だった。しかし、日常生活に割り込む広告宣伝は、もはや多くの人が耳をふさぐようになっている。

テレビ番組の途中に挿入されるCM。重要な郵便の中に紛れ込むダイレクトメール。自宅の電話が鳴っているので家事を中断して受話器を取ってみればセールスの電話。どれも情報の受け手側が望んでいないのに一方的に生活の中に割り込み、「買ってくれ、買ってくれ」と一方的に伝えていく。もはや商品を売り込むマーケティングは、生活者の興味や関心を引かないばかりか、生活のペースを乱す憎むべきものにまでなっている。
コンテンツマーケティングは、生活者が必要とする情報を用意しておき、見たい時にいつでも見られるようにしておく手法だ。生活者は検索やソーシャルメディアを経由してコンテンツにたどり着き、情報ニーズを満たす。だから、従来の広告のように嫌われることはないのだ。

4.顧客とのコミュニケーションが生まれる

一方的に届ける宣伝的なメッセージでは、顧客とのコミュニケーションは生まれない。必要とする情報を顧客自らが見つける環境を整えることがコミュニケーションの活性化につながる。

一方通行で企業が伝えたいメッセージを送り付けるテレビCMやダイレクトメールでは、情報の受け手となる生活者が意見を言ったり、対話に参加したりできない。
しかし、インターネットの普及によって、生活者は自分で情報を探し、自分の意見を発信できるようになった。いまやインターネットのマーケティングでは、双方向コミュニケーションを前提に構築することが当たり前になっている。
コンテンツマーケティングは、生活者の声を集めて、その課題を解決するためのコンテンツを提供する手法である。生活者はそのコンテンツに対してコメントを残したり、シェアしたり、次のコミュニケーションに発展させたりしていく。

5.顧客のロイヤリティを高められる

好きなブランドの商品であれば、生活者はそれを繰り返し購入する。
ほかのブランドが類似商品を安価に発売したとしても、目移りすることなく好みのブランドを購入し続ける。コンテンツマーケティングは、顧客のロイヤリティ(忠誠度)を向上する効果も高い。

新商品の発売と同時に、マスメディアに多額の広告費用を投下し、商品を大量に露出する。店舗の最も目につきやすいスペースに商品を陳列してもらうように小売店に働き掛ける。生活消費財や飲料、食品といった生活者の身近な商品を販売するメーカーでは、これらの販売促進手法が一般的で、現在も一定の効果があるとの見方が根強い。
しかし、「新商品は物珍しさで1度だけ試して、よほど気に入らなければ2度は買わない」「店頭では常に最も安い商品を購入する」という生活者は多い。こうした生活者は、別の新商品や、安売りの商品が登場すれば、次々とそちらに乗り換えていく。このペースに合わせた販売促進の戦略を続けていると、結局のところ広告宣伝費がかさみ、販売店への安売り合戦で利益率が下がり、メーカーは次第に疲弊していくことになる。
では、どうするか。大規模な広告宣伝をせず、安売りもせず、顧客に寄り添ったコンテンツを提供していくことが大きな解決策の一つである。コンテンツマーケティングの取り組みは、顧客の信頼感を獲得することにつながり、ロイヤリティを高め、商品やブランドのファンを増やしていく。
そのブランド、その店が好きだから、信頼しているからという理由で購入してくれる顧客は、安売り合戦から抜け出すために極めて大切な存在だ。その後も繰り返し商品を購入をしてくれる長期的な顧客になってくれるからである。

6.ターゲットが絞り込みやすくなる

出来るだけ多くの人に情報を届ければ、中には商品を購入にてくれる人がいるだろう。この考えでは広告宣伝費が膨らむばかりだ。コンテンツマーケティングでは、最初から興味や関心の高い人だけに絞って情報を届ける。

GRP(Gross Rating Point)という指標がある。テレビCMの効果を評価するものだ。放送によって見込める視聴数の見積もりや、視聴数を放送後に評価するときに利用する。この指標では「どれだけ多くの人に情報が届くか」が重要で、視聴者の興味は分からない。
コンテンツマーケティングでは多くの場合、検索エンジン経由で企業のウェブサイトにたどり着く。困っていること、欲しい商品などに関連したキーワードで検索する。
あなたの会社のウェブサイトが検索結果の上位にランキングされていれば、クリックされる確率が高いだろう。検索でたどり着いた人は、あなたの会社のビジネスにもともと関心が高い。だから、興味のある人に的を絞ったマーケティングができるのだ。

7.情報を自然に拡散できる

商品を売るためだけのコンテンツは広まらず、埋もれていく。ソーシャルメディアによって、人から人へと伝わっていく口コミの力は圧倒的に拡大した。良いコンテンツはインターネットで話題になり、シェアされて広まっていく。

「商品を売らんかな」の姿勢が見え見えのコンテンツは話題になりにくい。コンテンツマーケティングのポイントは、人々が必要としている情報を提供することにある。
役立つ情報は知人にも伝えたい。そうした情報をブログ記事や動画で発信すれば、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアで拡散しやすくなる。
例えば、英ユニリーバが制作した動画「Dove Real Beauty Sketches」は、本人の顔を見ずに説明だけを頼りに女性の顔を書いていく内容だ。1枚は本人の説明によるスケッチ、もう1枚は他の人の説明によるスケッチ。2枚のスケッチを比較すると…。「あなたは自分が思っているよりもずっときれいだ」というコピーが心に響く内容で、再生回数は6400万回を超えている。

8.顧客の反応が検証しやすくなる

マスメディアを使った広告ではターゲットを絞り込めないと同時に、広告接触後の行動について追跡調査ができない。コンテンツマーケティングでは、ウェブサイトのアクセス解析などで効果を定量的に検証可能だ。

マスメディアを使った広告が「実際の購買行動にどれだけ結び付いたか」を測定することは困難だ。もちろん、アンケート調査やグループインタビューで広告の視聴体験、商品の購入動機などを調査すれば、ある程度の定量的な情報を得られる。しかし、大規模な調査には、1回当たり少なくとも数百万円の費用が発生するだろう。
コンテンツマーケティングの特徴は、自社メディアにコンテンツを掲載した効果を正確に分析できることにある。たとえば、以下のような情報を把握できる。

・ウェブサイトの訪問者の属性は?
・どんなキーワードでたどり着いたのか?
・どのページを訪れたのか?
・ウェブサイトのリピート率がどれくらいなのか?
・返信フォームにどのような意見を書き込んで送ってきているのか?
・メールマガジンはどれくらい効果的だったのか?

これらは、マスメディアによる従来の広告宣伝手法では、ほしくてもなかなか得られなかった情報である。コンテンツにたどり着いた人、見た人の反応を把握することは、マーケティングの取り組みに大きな効果をもたらす。自社で取り組んだ施策の中で「何がうまくいき、何がうまくいっていないか」を分析できるからである。分析結果をうまく活用できれば、より効果の高い施策を見つけ出すことができるだろう。

だから、コンテンツマーケティング

ここまで、”商品を売らない”マーケティング手法である「コンテンツマーケティング」の効果の一端を紹介してきた。では、この手法は、一体どんな取り組みで、どんな効果があるのだろうか。ここではコンテンツマーケティングの考え方の基本を押さえていく。その上で、従来の広告宣伝手法だけではなく、コンテンツマーケティングを顧客とコミュニケーションする手法の柱として注力する企業が増えている背景を、生活者の行動の変化から見ていく。

コンテンツマーケティングとは何か

表立って宣伝しない 古くて新しいマーケティング手法

改めて「コンテンツマーケティングとは、どんな手法か」を整理しておきたい。コンテンツマーケティングは、日本ではあまり浸透していないが、海外では注目のマーケティング手法だ。世界の多くの会社が実践し、売り上げを伸ばしている。といっても、最近生まれた新しい手法というわけではない。企業は、100年以上前から顧客の関心を得るために実践している。
例えば、フランスのタイヤメーカーであるミシュラン(Michelin)は、1900年に自動車旅行に役立つ地図や自動車整備などの情報を掲載した400ページの「ミシュランガイド」を無料で3万5000部配布した。後の有名なレストランガイドにつながる最初のガイドブックである。自社商品であるタイヤを売るのではなく、自動車旅行を活性化するため、快適なカーライフに役立つ情報を提供したのだ。
1904年にはフルーツゼラチンミックスの有名ブランド「JELL-O(ジェロ)」を開発した米国企業が、自社商品を使うレシピ本を無料で配った。JELL-Oブランドは無名だったが、レシピ本の配布後2年で年間売上高が300万米ドルを超えた。こうした歴史は、右に掲載した米トゥデイメード(Todaymade)のブログに詳しい。
本書では、コンテンツマーケティングを「顧客の獲得を目的にコンテンツを制作し、提供することに注力したマーケティング手法」と定義する。コンテンツマーケティングでは、商品を売ることよりも顧客に正しい知識を与えるためのコンテンツ制作に重きを置く。
現在のコンテンツマーケティングで制作されるコンテンツの形態は様々だ。「ブログ」「動画」「Eブック(PDF形式の小冊子)」「事例集」など、特にデジタル化された情報が多くを占める。これらのコンテンツは、顧客にとって有益でなければならない。なお、コンテンツマーケティングは、コンテンツを1つだけ作って終わりではない。様々なコンテンツを継続的に制作し、最新情報を取り入れて更新し続けることになる。この手法を実践するには、企業はメディアのようにコンテンツを企画し、制作し、その効果を測定し続ける必要があるのだ。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティング

コンテンツマーケティングを語る時に「インバウンドマーケティング」というキーワードが登場することがある。この言葉は、米ハブスポット(HubSpot)が提唱した。コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングと親和性が高く、インバウンドマーケティングの一つの形態とも言える。
インバウンドマーケティングについて理解するために、、まずは対義語である「アウトバウンドマーケティング」について説明しよう。アウトバウンドマーケティングは、商品を売ることを目的に「訪問販売」「電話のセールス」「ダイレクトメール」「メールマガジン」などで見込み客にアプローチする手法だ。「売り込み」と言うと分かりやすいだろう。アウトバウンドマーケティングによる売り込みは近年、非常に効果が低くなっている。訪問販売や電話のセールスなどを受けると多くの人が警戒し、売り言葉を聞いても断るようになっているからだ。
一方、インバウンドマーケティングでは、見込み客に商品を売り込まない。ウェブサイトやブログなどで役立つコンテンツを提供し、「見込み客から見つけてもらうこと」を目標とする。「見つけてもらう」という点が非常に重要なので覚えておいてほしい。顧客の方からコンテンツに引き寄せられていくという意味で「インバウンド(inbound=中に入ってくる)」なのである。
では、見込み客に「見つけてもらう」にはどうすればいいのか?「見込み客がどのような情報を必要とし、何を探しているのか」を理解し、その情報を見つけやすい形で提供すること。これが重要なポイントである。
右ページ図は、インバウンドマーケティングの5つのステップだ。この中で最も大事な部分は、「ステップ1:ウェブサイトやブログで情報を提供することでウェブサイトへの訪問者数を増やす」である。
生活者はモノを購入する前にインターネットを使って自分で情報を収集し、知識を得ることが当たり前になっているのだ。これが、「見込み客に適切なコンテンツを提供すること」「コンテンツをタイムリーに更新していくこと」がますます重要になっている背景にある。有用なコンテンツを提供することが、生活者に商品やサービスを購入してもらう動機付けになるからである。
このため、インバウンドマーケティングは、コンテンツを中心に展開されることが多い。コンテンツに注力したインバウンドマーケティングが、コンテンツマーケティングとも言えるだろう。

■インバウンドマーケティングの5つのステップ

STEP1:ウェブサイトやブログで情報を提供することでウェブサイトへの訪問数を増やす
STEP2:ウェブサイトを訪問した人を見込み客にする。
STEP3:見込み客に、商品・サービスを購入してもらう
STEP4:購入してくれた人をリピーターに育てる
STEP5:改善点を分析する

コンテンツマーケティングの世界的な流行

従来のアウトバウンドマーケティングの効果が薄れたことによにり、企業のマーケティング活動がコンテンツマーケティングへとシフトする動きが世界的に加速している。特に影響が大きかった出来事は、2011年に米コカ・コーラ(Coca-Cola)が発表した広報戦略「Content2020」だ。同社は、この戦略について社内のマーケティングチーム向けに作成した動画を動画配信サイト「YouTube」で公開している。
この動画でコカ・コーラは、「生活者の環境の変化により、これからは広告クリエイティブ重視の戦略からコンテンツ重視の戦略に変化しなければならない」と伝えている。テレビ広告ばかりに頼らず、あらゆるチャンネルで生活者が見たいときにいつでも見られるようにコンテンツを用意しておく必要性についても訴えている。このほかにも、米プロクター&ギャンブル(P&G)、スイスのネスレ(Nestle)などの大手企業が、自社メディアやソーシャルメディアを活用したマーケティングにも予算を配分し、注力していくことを発表している。
欧米に限らずアジア圏内でも、コンテンツマーケティングの取り組みが活発だ。タイのバンコクに本社を置くタイライフ(Thai Life)という生命保険会社は、2014年4月に「無名のヒーロー(Unsung Hero)」という約3分間の動画をYouTubeにアップした。主役の貧しい中年男性は、自分を取り巻くすべての弱者を助けている。荷車を引く老婆がいれば押すのを手伝い、お腹を空かせた犬には自分の肉を分け与える。道に「教育のお金」と書いて物ごいをする母娘にはお金を寄付する。
そんな彼の姿を見る人々は首をかしげるばかり。彼は名乗ることなく、何かの対価を求めるわけでもなく、来る日も来る日も親切を続ける。いつしか、彼の親切が形になっていく。犬が懐き、老婆は元気になり、少女は学校に入学する。そして「彼は幸せを目撃し、愛を感じ、お金では買えないものを受け取った。世界はもっと美しくなった」というナレーションが入り、最後に企業ロゴとウェブサイトのURLが表示される。
この動画は公開後1週間で600万回再生され、公開後5ヶ月半になる2014年9月の時点で再生回数が2170万回を超えている。動画の内容には、生命保険を売るようなメッセージは一つも含まれていない。動画のストーリーに共感が集まり、ソーシャルメディアなどでシェアされることで再生回数が伸びていった。視聴した人の中には、他のコンテンツをもっと見たいと企業のウェブサイトのURLをクリックした人も多いだろう。

欧米の一流企業によるコンテンツマーケティング

コカ・コーラが「Content 2020」を発表してから3年がたち、同社のマーケティングはどのように変化したのだろうか。2012年11月に同社はグローバルサイトを「Coca-Cola Journey」と題したサイトに刷新した。トップページは一見すると、まるでウェブメディアのようだ。コンテンツは「ブランド」「ライフスタイル」「ビデオ」「ストーリー」といったカテゴリに分けられ、日々更新される。同社のブランドに関連するストーリーが半分、関連しないものが半分といった構成だ。
ブランドと関連するといっても、「コカ・コーラを飲もう!」というような内容ではない。例えば、「The True History of the Modern Day Santa Claus(現代のサンタクロースにまつわる本当の歴史」という題名のコンテンツでは、サンタクロースのイメージの変遷を紹介している。それによれば、1930年代以前のサンタクロースは現在の赤い服、白いひげのおじいさんではなく、気味悪いエルフのイメージだった。イメージが変わったのは、コカ・コーラが広告に採用したイラストレーターの作画の影響だという内容だ。ブランドが関連しないコンテンツはライフスタイルや文化に関連する内容が中心で、楽しめるもの、ほっこりした気持ちになるものが多い。
コカ・コーラは、Coca-Cola Journeyで2013年に1200本の記事を公開し、1300万人の訪問者を獲得した。しかも、記事1本当たりの平均滞在時間は4分40秒という驚異的な数字になった。同サイトでは記事1本当たりの滞在時間を使って記事と読者のエンゲージメントを評価しているという。なお、サイト読者の3分の2が34歳以下であり、最も多い年代は18~25歳である。この年代は、まさに同社のターゲットとする世代、従来の広告手法ではリーチできなくなった世代だ。
Coca-Cola Journeyの制作チームは、編集長、ソーシャルメディア編集者、グラフィックデザイナー、アナリストで構成されている。その他に動画制作会社やフリーライター、写真家などの外部スタッフが協力しているという。広告宣伝費がたっぷりある大企業もコンテンツマーケティングを重視し、成果を上げていることが分かる。

YouTube動画を大量アップする米国の病院とは?

ここで、コンテンツマーケティングで効果を上げている企業以外の例として、米国の総合病院「メイヨ―・クリニック(Mayo Clinic)を紹介したい。この病院ではウェブサイト(www.mayoclinic.org)のほか、以下のソーシャルメディアやブログを運用している。

メイヨ―・クリニックのソーシャルメディア戦略を率いるのが、リー・アシー(Lee Aase)氏だ。病気になると、人はその病気の詳しい情報を得ようと必死になる。アシー氏は「病院は患者の知りたいという要求に応えるために、きめ細かい情報を配信していく必要がある」と考えた。
なお、同氏は、ソーシャルメディアを活用するに当たって、ヘルスケア部門におけるソーシャルメディアの活用方法についての情報を集めた「Social Media Health Network」というウェブサイトを立ち上げ、従業員や関係組織の教育に役立てたという。
メイヨ―・クリニックのYouTube動画には、ほぼ毎日、数本の動画が新しくアップされている。といっても、それぞれの動画の再生回数は数百程度が多く、数万回の規模になっている例はごく一部だ。しかし、それは大きな問題ではない。必要な人に見てもらうことが目的であり、再生回数を伸ばすことは目的ではないからだ。
メイヨ―・クリニックが公開している1本の動画の制作経緯を紹介しよう。歯科医のコカ(Koka)氏は診療に来る患者の多くが、診療中に彼が訪ねる質問の意味をよく分かっていないことに気づいていた。しかも、彼の名前が外国風の名前であるために英語力を心配する人までいた。そこで、コカ氏は自己紹介ビデオを作成し、診察中によく尋ねる質問項目を挙げ、診療に来る前に自分の症状を整理し、聞きたいことを考えてくるようにお願いした。また、自分がロンドン育ちでイギリス英語を話すことも伝え、彼の英語力への不安を払拭した。
なお、この動画は効果検証として一部の患者のみに動画を共有している。仮説では、動画を見た患者の方が治療に当たっての不安が減り、効率的に診療でき、しかも患者の満足度が上がるとしている。メイヨ―・クリニックが目指すのは、コンテンツを通して患者と交流し、病院での体験の満足度を高めることだ。今日も、この病院は新しく制作した動画を公開し続けている。

気づいてもらう!仕組を作る新しい手法コンテンツストラクチャー

さて、いくつかの事例を含めてコンテンツマーケティングの取り組みについて紹介してきたが、いずれも、読者が望むコンテンツを継続的に作り続けている。
米国のコンテンツマーケティング関連の業界団体「CMI(Content Marketing Institute)」が2014年に実施した調査では、米国のB2C(消費者向けサービス)企業の72%が「前年よりも自社サイトのコンテンツを増加させる」と回答し、60%が「今後12カ月でコンテンツマーケティングの予算を増加する」と答えている(予算が減少すると回答した企業はわずか2%だ)。多くの企業がコンテンツマーケティングに予算を割り当て、効果を期待していることがうかがえる数字ではなかろうか。
こうした中、米国の企業が求めている人材が「コンテンツストラテジスト」だ。この職種の役割は広範囲にわたる。コンテンツの企画、制作、評価・分析にとどまらず、コンテンツ戦略を立てて制作チームの人材配分、プロジェクト管理を行い、他の部署との調整も行う。
コンテンツストラテジストには、企業やブランドについての深い理解、それをストーリーとしてコンテンツに落とし込むスキルが求められる。この職業の求人情報を調べると、職務経験としてコンテンツ制作、代理店でのマーケティング戦略策定などを挙げる例が多い。コンテンツストラテジストの重要性が高まっている兆候として、「CCO(Chief Content Officer、最高コンテンツ責任者)」という役員クラスの職種も登場している。実際、コカ・コーラをはじめ、米国でペット関連事業を手掛けるペットコ(Petco)、メディア企業のタイム(Time)などがCCO、またはそれに類する役員を採用している。CCOを採用しているのはまだ一部の大企業に限られており、予算に限りがある中小企業にはまだ普及していない。しかし、優秀なCCOを確保することは長期的に見て効果の拡大、コスト削減にもつながると期待されており、採用する企業が徐々に拡大していくはずだ。

■米国のB2C企業に聞いたコンテンツマーケティング

【過去1年間でコンテンツ制作は増加しましたか?】
大幅に増加・・・・・32%
増加した・・・・・・40%
変わらない・・・・・21%
減少した・・・・・・4%
分からない・・・・・3%

【今後1年間でコンテンツ制作予算を増加させますか?】
増加させる・・・・・45%
変わらない・・・・・28%
減少させる・・・・・2%
分からない・・・・・10%
大幅に増加させる・・15%

日本がマーケティング後進国と言われる所以は、国土が狭いのでface to faceが良い、または、TV会議システムの導入が遅れているなど、様々な艦橋を反映させた結果だと考えられています。

また、日本国内の労働生産性が向上しないのも、デジタルなコンテンツなどの導入がオペレーションをする層とコンテンツマーケティング導入を決裁する世代との乖離が大きなことにあるのかもしれません。

日々、進化するデジタルマーケチングを逸早く取り入れられる企業がこれからマーケットを獲得するためには必須になってくるのは間違いないと考えれられております。

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