ウェブサイトを運営されている方の多くは、サイトマップという言葉を耳にしたことがあると思いますが、特に注目をしていないという方が少なくないかもしれません。
しかし実際のところ、サイトマップはSEOの観点において大きなポテンシャルを秘めています。ここでは、その役割や作成ステップについてご紹介します。
SEOの目的とサイトマップが果たすべき役割とは?
SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」という意味です。インターネットを利用する多くのユーザーは、何か調べ物をしようとする際に、GoogleやYahooなどの検索エンジンを使用して調べます。SEOは、そういった検索の際に、登録した検索キーワードにヒットした場合に検索結果のより上位に表示されるようにすること。
つまり、運営しているウェブサイトのコンバージョンをよりアップさせること、ひいてはウェブサイトの収益化を高めるために行う方法です。
ウェブサイトの最適化を行うSEOに関するコツやポイントは、数多くあります。それらのなかにあって、実際の高い効果をそれほど評価されていないもののひとつが、サイトマップです。
サイトマップとは、その名前が表しているように、あなたの運営しているウェブサイトの「マップ(地図)」にすぎません。つまり、あなたのウェブサイトの構造がどうなっているか、それぞれのセクションがどう配置されているか、そしてそれらのセクションがどのようにリンクしているのか、などの情報が記された1枚のページです。
サイトマップがあることによって、ウェブサイトに訪問した人がサイト内をより簡単に探索することができるようになります。そして、もしウェブサイトの更新を行った場合には、サイトマップも同様にアップデートしてあげることで、ユーザビリティはより高まるだけでなく、検索エンジンにとっても有効です。
すなわち、サイトマップはユーザーにとって便利なだけでなく、検索エンジンとコミュニケーションを適切に行うためにはなくてはならないアイテムです。つまり、「robots.txt」を記述する際には、あなたのウェブサイトのどの部分をインデックスから除外するかを検索エンジンに指示するものですが、その逆に、サイトマップでは検索エンジンにどこを探索してもらいたいかを伝えるのです。
サイトマップは新しく生み出されたツールなの?
サイトマップというアイテムは、なにもいまに始まった「新しいもの」ではありません。ウェブデザインのベストプラクティスとして、ずっと以前から作られてきているものです。ところが、検索エンジンによってサイトマップがチェックされるようになって以降、サイトマップの重要性はより高まりました。
ところが、もしあなたがSEOの観点によるサイトマップのあり方、作り方などに興味があるのでしたら、これまでと同じサイトマップだけでは十分ではありません。
YahooやMSNはこれまでの一般的なHTMLフォーマットのサイトマップを採用していますが、Googleなどでは新たにXMLフォーマットによるサイトマップの採用を進めています。これまでのHTMLフォーマットはユーザー向けのものでしたが、検索エンジン向けにはXMLフォーマットが対応しています。
どうして2種類のサイトマップが必要なのか不思議に思われるかもしれません。しかし、答えは明らかで、一方は人間(ユーザー)向け、もう一方はGooglebotをはじめとした「クモ」と呼ばれる検索エンジン向けです。それぞれに用途がありますので、ウェブサイトがこれら2つのサイトマップを持っていても、コンテンツの複製とはされませんのでご安心ください。その例として、Googleではサイトマップを利用することであなたのウェブサイトになんらかのペナルティが課されることはないと明確にコメントを出しています。
サイトマップを使用することのメリットあれこれ
サイトマップを使用することにおいては、多くのメリットがあります。ユーザーのナビゲーションをより快適にしたり、検索エンジンに対してよりサイトの各要素をわかりやすくしたりするだけではありません。サイトマップがあることによって、もしウェブサイトになんらかの変更や更新が行われたときに、すぐにそのことを知らせることが可能になるのです。
もちろん、その知らせを受けて検索エンジンがすぐに駆けつけて変更・更新された内容をもとにインデックスを修正してくれるわけではありません。しかし、サイトマップを通じて知らせないで放置しているよりもずっと早いタイミングで再インデックスしてもらえます。
また、サイトマップがすでにあって検索エンジンに提供しているのであれば、検索エンジンにあなたのサイトをサーチしてもらうために、これまでのように外部のリンクに頼りっきりになることもなくなります。例えばサイト内にある各セクションへのリンクがなんらかの拍子で壊れてしまったとしても、サイトマップはそういった壊れた内部リンクをサポートしてもくれるのです。
もちろん、言うまでもありませんが、サイトマップに任せっきりにするのではなく、壊れたリンクは適切に修正しておきましょう。
もしあなたがウェブサイトを立ち上げたばかりであるか、数多くの新しいページを作成したり、多くのページを最近更新したりしたばかりであるのでしたら、サイトマップは特になくてはならないものです。サイトマップなしでコツコツと変更・更新作業を行うことはできますが、これからはサイトマップを利用して検索エンジンにウェブサイトを知ってもらうという方法が主流になるでしょう。
もちろん、これまでのようにクモである検索エンジンがウェブ(クモの巣)をインデックスしていくことは変わりませんし、サイトマップがそういったクローリングの手続きに取って代わることはありません。しかしそれでも、サイトマップの重要性は今後ますます高まると考えるのが自然でしょう。
サイトマップがあることによって、あなたのウェブサイトのコンテンツを適宜分類することも可能になります。ただし、検索エンジンはその本来の性質として、あるページを特定のカテゴリーに有無を言わせずタグ付けしたり、あるキーワードを見つけて勝手に紐付けをしたりすることは依然としてなくなりません。
大手の検索エンジン、特にGoogleにおいて、サイトマップに関連するプログラムはまだ発展途上であるということを念頭におくと、サイトマップを活用することによっていますぐに大きなアドバンテージを獲得できるのではないか、とは考えない方がいいかもしれません。
しかし、検索エンジンによってサイトマップのインデックス・アルゴリズムが改善されているという事実がありますので、サイトマップがあることでより多くのウェブサイトが「より早く」インデックスされるようになるのは確実です。
あなたのウェブサイトにサイトマップを装備するためのステップ
あなたがこれから運営しているウェブサイトでもサイトマップを使用できるようにしたいと思ったとして、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?
実際のところ、あなたが行うべき手順はとてもシンプルです。まず、サイトマップを作成し、ウェブサイトにアップロードし、そして最後にGoogleにそのことを知らせるだけです。
もちろん、あなたのウェブサイトに関する技術的なスキルによるところはありますが、サイトマップを作成するためには主に2つの方法があります。
インターネットを検索すると見つけることのできるフリーのサイトマップ・ジェネレーターをデスクトップにダウンロードして、インストールをする方法がひとつ。
そして、オンラインで提供されているサイトマップ・ジェネレーター・ツールを利用する方法がもうひとつです。
パソコンにインストールをする方がやや難しさがありますが、作成できるサイトマップについて、より詳細にコントロールをすることができるというメリットがあります。こういったアプリケーションの代表的なものとして、Googleサイトマップ・ジェネレーターなどがあります。
パッケージをダウンロードしたら、あとは表示されるインストラクションに従ってインストールをし、必要なコンフィギュレーションを進めていきます。Googleのこのアプリケーションはパイソン(Python)言語によるスクリプトで作成されていますので、あなたのウェブサイトがおかれているウェブ・サーバーにはPython2.2かそれ以降のバージョンがインストールされていなければなりませんので、その点をご注意ください。
サイトマップを作成する2番目の方法は、オンラインのサイトマップ・ジェネレーター・ツールを使うこと。こちらの方が技術的なことがあまり得意でないかたにとっては、より簡単です。最近では、少し検索をするだけでも多くの無料ツールを見つけることができ、サードパーティ製のサイトマップ・ツールが特に多くの割合を占めています。
ひとつひとつのツールのページを検索するだけでなく、ネット上にはダウンロード型、オンライン型の無料のサイトマップ・ジェネレーターについてまとめたリストも公開されています。Googleのリストでは、ダウンロード&インストール型、オンライン型に加えて、コンテンツ・マネジメント・システムのためのサイトマップ・プラグインについての情報も提供されています。
ただし、Google側の見解として、すべてのツールやプラグインをテストし、検証してはいないという条件がついていますので、それぞれの利用にあたっては、基本的には自己責任で行う必要があります。
サイトマップの作成が終わったら、今度はあなたのウェブサイトにアップロードしなければなりません。すでにアップロードされていれば、あとはその存在をGoogleに知らせましょう。Googleにサイトマップの存在を知らせるということは、具体的にはあなたのGoogleサイトマップ・アカウントにそのサイトを登録することです。
もしあなたがGoogleのアカウントすら持っていないのでしたら、いまこそアカウントを作成すべきタイミングです。サイトマップを登録するにあたって事前に知っておいた方がいいこととして、Googleサイトマップ・アカウントの登録においては、あなたがそのウェブサイトの正規のオーナーであることを証明する必要があるということです。
大手の検索サイトのなかでも、サイトマップをサポートしていなかったり、あるいは少なくともGoogleで使用されているXMLフォーマットのサイトマップをサポートしていないといったことがありえます。
例えば、サービスによってはXMLフォーマットのサイトマップではなく、URLのリストが羅列されたテキストファイルのみを認めているといったケースもあります。このケースにおいては、テキストファイルが本来のサイトマップに記載されている多くの情報のなかから、必要最低限の「骨格」だけを残したものとして取り扱われるのです。なかには、こういったテキストファイルすら受け付けないサービスもありますが、その場合はウェブサイトがオープンしたところでインデックスを作成するようなシステムが採用されているようです。
いずれにしても、やはりウェブサイトのオーナー自身が作成した専用のサイトマップの方がやはり情報量が多く、しかもそれぞれが正確であるという大きなメリットがあります。SEOの観点においても、自ら作成したサイトマップがもっともパワフルなSEOツールとなりますし、今後はあらゆる検索サービスにおいては確実に無視できない勢力となります。
いかがでしたでしょうか。
サイトマップがSEOの観点からいかに大切かがお分かりいただけたのではないでしょうか。SEOの強力なツールとして、メディアECのひとつのツールとしてのサイトマップの効果をアップさせるためには、正しいURLやセクション情報など、掲載される情報の精度を高めることがとても大切です。