コンテンツが、インターネット上で次々と拡散されて広まることを「バズ」と呼びます。短期間で爆発的なアクセス数が集まりますので、瞬間的に認知度を獲得することが出来ます。コンテンツマーケティング上、SNS戦略も重要な戦術の1つになりますので、今回はこれまでに「バズ」を呼び起こした事例をピックアップし、SNSで反応を得やすいコンテンツを紹介したいと思います。参考になれば幸いです。
誰もが共感できるもの「猫や犬などのかわいい系」
「バズ」ネタの鉄板になっているのが、動物を絡ませたコンテンツです。単に動物の写真を掲載するだけでなく、誰もが「可愛い!」と思えるような共感を狙っているのがポイントです。
ストレスの多い社会だからこそなのかもしれませんが、愛くるしい動物の写真から得られる癒しに対して、共感が得られるのかもしれません。
ただし、闇雲に動物を使えばいいわけではありません。そのユーザーがそのコンテンツを見た後に、どのようにして自社のサービス・商品へ興味関心を抱かせる態度変容を起こさせるのか、考えることが重要です。
例えば、こちらの例は一般ユーザーが投稿したキュレーションですが、ペットショップ店が行ったとすれば、ペット購入へ繋げる関心をユーザーに抱かせるという目的を果たすことができます。自社のサービスや商品と動物を、どのように組み合わせることが出来るのか考えてみてもいいでしょう。
そういう意味では、楽天市場の「お買いものパンダ」も1つの成功例に挙げられると思います。
好き嫌いがはっきり分かれるもの「政治・経済・仕事観」
政治や経済、仕事観に関するコンテンツは、世の中の関心も高く、注目が集まりやすいのは確かです。ただし、各人によって考え方や思想が異なるため、「アンチ」と呼ばれるユーザーにも注目されやすいのが特徴です。そのため、「バズ」だけではなく「炎上」のリスクも孕んでいます。
経営者の哲学、ビジョンに絡んだ率直な発言を
SoftBankの孫正義さん、楽天の三木谷さん、GMOグループの熊谷さん、サイバーエージェントの藤田さんのように、自身のスタンスや考えを率直に発信することは、自社のPRにも繋がります。例えば、下記の例は記憶にも新しいのではないでしょうか。
政治や経済、仕事観を発信する上で大事なのは、自身のスタンスを明確にすることです。確かに「アンチ」も生まれやすいですが、猛烈なファンの醸成にも繋がります。
一部の人だけに支持されるニッチな情報
「バズ」は、誰もが共感するものだと考える必要はありません。むしろ、一部のニッチなユーザーの共感が引き金になって、拡散するケースの方が多いのです。
イノベーター理論をご存知でしょうか?新製品や新サービスの市場浸透に関する理論のことですが、情報消費においても同じことが挙げられます。
一部のイノベーター、アーリーアダプターと言われる集団にさえコンテンツが届けば、大きな母集団であるアーリーマジョリティ、レイトマジョリティ層への情報拡散が起こります。これが、いわゆる「バズ」なのです。
下記の例をご覧ください。
これは「お風呂でのメガネ使用」や「お風呂場でのレンズの曇り」など、たメガネをかけている人の悩みを解消させることに特化した商品です。
このようなニッチな商品でも、一部の新製品や新サービスに感度が高いユーザーに届けば、時間経過とともに徐々に情報拡散が始まり、「バズ」が起こります。
現在はインターネットによってその情報伝達速度も非常に早く、情報リリースから「バズ」までの感覚が短いのです。ニッチな情報に限らず、SNSで反応を得るためにはまず興味を持っている人に魅力を伝えなければいけません。
商品を通して得られる体験がイメージできるもの
日本コカ・コーラの炭酸飲料「スプライト」は、2014年に「飲めば爽快!スプライト!」キャンペーンを実施しました。
そのキャンペーン内容は、ショッピングカートに乗り込み、水しぶきを浴びる体験装置である「スプラッシュカート」を使用したリアルイベントを、全国各地で行うものでした。
その体験動画をWebサイトやSNS、広告へ出稿すると、昨年の再生回数を大幅に上回る結果を出すことに成功しています。
動画を通じて、まだスプライトを飲んだことがない人にもスプライトの「爽快感」を味わえる体験を与えた結果、SNSを通じて反応を得ることができた好事例と言えるでしょう。
デジタルマーケティングの潮流を、2014年に実施された代表的な事例を通して解説する書籍『デジタルマーケティング年鑑2015』。
「バズ」も引き起こすコンテンツ事例を紹介しましたが、大切なのは「誰のための記事なのか」をきちんと決めておくことです。
良質なコンテンツ作りはもちろんですが、目的と手段が混合しないように気をつけましょう。