この記事を読んだ人におすすめの記事×

Original.jpg?jp.co
出典元URL:https//www.shutterstock.com

実店舗とECの融合!O2Oとは

日本国内のBtoC(企業と個人間の商取引)小売・サービス市場において、インターネットを介したいわゆるEC(e-commerce)の割合がどれくらいか、皆様はご存知でしょうか?

  • はてな
  • Twitter
  • facebook
  • google+
  • LINE

目次

経済産業省がに発表した「平成 27 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2015年度の日本国内のEC市場規模は13兆7746億円で、対前年比7.6%の伸び率となりましたが、BtoCの小売・サービス市場におけるEC化率は4.75%に留まっています。つまり、個人による全ての購買活動の中で、ネットでモノを買う割合は実に5%に満たないのです。

そうした状況の中、ECから実店舗へのユーザ回帰を促す手法として、近年注目を浴びているのが「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」というキーワード。ポケモンGOの関連でもたびたび登場する用語ですが、聞き覚えがあってもその実態についてはよくわからない、という方も多いのではないでしょうか?本稿ではそんな「O2O」について、具体的な事例も交えて解説します。

O2O とは

そもそもO2Oとは、Online(オンライン)からOffline(オフライン)への誘導、つまりWEB(オンライン)上の情報から、リアル店舗への来店を促す施策の総称で、その原型を遡れば、米国の証券会社 チャールズ・シュワブの社長兼共同CEOデビッド・S・ポトラック(David S. Pottruck)が2000年に使い始めたとされる「クリック&モルタル」にたどり着くことができます。

アメリカでは伝統的な企業を「ブリック&モルタル」(煉瓦と漆喰)と呼ぶため、これに引っ掛けてのネーミングとされていますが、そのころ「ドットコムバブル」の時流に乗って爆発的な勢いを見せていたインターネット専門企業に対抗するため、従来の小売企業がインターネットを活用してオンライン(クリック)とリアル店舗(モルタル)の長所を組み合わせようとして構築したビジネスモデルです。当時の対標的施策としては、店舗とECのポイント共通化などが挙げられています。

このように、インターネット業界のご多分に漏れず、当初は米国から始まったサービス形態ですが、その後グルーポン社による共同クーポン購入サービスなどが流行した2009年前後、ついに「O2O」という用語が米国内で登場。ちょうどそのころ日本国内でも、マクドナルドやツタヤなど小売り大手が「割引クーポンなどを配信して店舗に来てもらう」というオンラインクーポンの導入を開始しました。

その後、SNS大手のFacebook、そして位置情報とゲーミフィケーション性を持たせたサービスを展開するFoursquareなどの台頭を経て大きな技術的進化を果たした「O2O」。最近では先述のポケモンGOに見られるような、位置情報やNFC(Near Field Communication:近距離無線通信技術)、さらには音波などの最新技術を活用した取り組みも見られるようになっています。

O2Oが求められている背景

このようにオンラインの会員やインターネット閲覧者を、店舗や実際のオフラインの消費行動につなげようとする取り組みはこれまでにも多種多様に存在しましたが、一方でO2Oは今がまさに旬のマーケティング手法である、とも言えます。

というのも実際のところ数年前までは、オンラインにアクセスできる場所が自宅や職場などに限定されていたため、インターネットでのショッピングと実店舗でのショッピングは、「今すぐ商品がほしい」あるいは「家から出ないで指定の時間に商品を受け取りたい」といった、消費者の目的や利便性にあわせて別々に行われていたのが実情でした。

そこへiphone、androidを始めとしたスマートフォンが爆発的に普及したことで、街頭には有料・無料問わずWi-Fiスポットが増加。またパケット定額制が当たり前となったことで、消費者はいつでもどこでもインターネットとつながり、リアルタイムでお気に入りのレストランの情報をソーシャルに投稿したり、現在地の近くにあるプレイスポットの情報を調べたりすることができるようになりました。このようにスマートフォンの普及と、ソーシャルメディアの台頭が、ネットとリアルをシームレスに連携させることに繋がり、その結果オンラインで情報を集めてから、実際に消費行動を取るまでの時間は劇的に短縮されました。

そして、ネットとリアルの関係性をさらに近づけたのが、ハードウェアの進化です。GPSやibeaconなどによる位置情報の取得や、Felicaに代表される決済システムなどに用いられる近距離無線通信規格(NFC:Near Field Communication)、さらには現実世界に様々な情報を重ね合わせる拡張現実(AR:Augmented Reality)などの新しい技術によって、例えば位置情報サービスと組み合わせたポイントサービスや、ARを用いたクーポンなど、プロモーションの手法にも新たな可能性が生まれています。O2Oの持つ潜在的なマーケティング力は今、数年前までは考えられないほどに高まっていると言えるでしょう。

そうした最先端事例の一つとして、先述のポケモンGOについて詳しく見てみましょう。スマホのGPS機能とARを駆使して、現実世界と「ポケットモンスター」の世界を融合させたスマホ向けアプリゲーム「ポケモンGO」では、皆様もご存じのとおり、すでに世界中の多くのプレイヤーによって、あらゆる場所に出現するポケモンの探索が行われています。このポケモンGOと日本マクドナルドのコラボレーションが発表されたのはつい先月のことで、これによりほぼすべてのマクドナルド店舗に「ポケモンGO」のジムが設置されることになりました。ジムとは自分が育てたポケモンを他のポケモンと戦わせることができる場で、ジムに既にいるポケモンを倒せば、自分のポケモンをジムのボスとして置くことができます。

マクドナルド側としては、もちろん多くのプレイヤーがジムを訪れることを期待しており、一方でポケモンGOを開発した米Niantic社は、企業がスポンサー料を支払うことで実店舗をゲーム中の重要ポイントに設定してもらい、集客に役立てる「スポンサード・ロケーション」による収益拡大を画策している、とされています。巨大なユーザー数を抱えるサービスがO2Oのプラットフォームを目指すという意味合いでは、Facebookに次ぐ大規模な取組みになる可能性があります。

O2Oによって期待される効果

ここで改めて考えておきたいのが、「O2Oによってどのような効果を期待するか」ということ。O2Oと一口に言っても様々な手法があり、その中でも以下の5つは代表的なO2Oの活用例とされています。

1.オンラインクーポン
店頭で安く買い物が出来るオンラインクーポンを発行する

2.店頭でのポイントサービス
店舗に行くとポイントが貯まり、オンライン、オフラインの両方で買い物に利用出来る

3.オンラインチラシサービス
チラシ広告をデジタル化し、安価な商品をネット上で探すことが出来る

4.エリアに基づく店舗情報サービス
今いる地点に近い場所で、クーポン利用が可能な店舗を検索・利用することが出来る

5.ソーシャルの公式アカウントサービス配信
LINEやFacebookなどで公式のアカウントやページを保有し、登録者に対してクーポンやキャンペーン情報、店舗とのコミュニケーションを提供する

これら各サービスがユーザーに提供する価値は、一見すると「お得感」に集約されるように見えてしまいますが、その内容を細かく分析すると、実は細かい違いがあります。オンラインクーポンやポイントサービスが割安感を強調する一方で、その他の手法はそれぞれ、チラシサービスは品ぞろえの豊富さを、エリア情報は店舗の立地の良さなどを、公式アカウントはユーザー対応の良さを打ち出すのに最適です。このように、、自社における店舗からオンラインまでの活動を総合的に見渡して、一番の強みといえる部分を積極的に打ち出すことのできる施策を的確に選択して売上拡大に繋げていくことが、O2Oにおける成功の秘訣と言えるでしょう。

事例から見るO2Oの始め方

それでは最後に、O2Oが初めての方や、中小企業でも始めやすそうなO2Oの事例を、いくつか見てみましょう。

実店舗とECの連携

無印良品/MUJI passport

「チェックインでのポイント提供」や「最寄り店舗の検索」「店の在庫検索」など、の機能を通じて、新しい買い物体験を顧客に提供しています。なお無印良品ではO2O実施にあたって、(1)店舗への送客(2)顧客とのコミュニケ―ション(3)ECサイトの売り上げの拡大、という3つの柱を掲げており、国内でのO2Oの大きな成功事例として知られています。

ユナイテッドアローズ

ECサイト上で、日本全国の店舗ごとの在庫数を表示。カラーやサイズごとの在庫状況もわかります。自社のオンラインストアをオープンした2009年当時から、店舗とECのポイントを共通化しており、相互の利用促進を強く意識。また一部店舗では、顧客が試着を希望する商品をオンラインで予約し、実店舗に取り寄せることができる「商品取り寄せ」も実施しています。

位置情報を活用したO2O

GU/シェイククーポン

GUの店舗内でアプリを5回シェイクすると、5人に1人、1,000円OFFクーポンが当たるキャンペーンを実施。その分かりやすさがユーザーに受け入れられたのか、クーポン利用率は95%を超えたとのこと。同キャンペーンの成果を受け、同じくスマートフォンをシェイクすると、抽選でソックスやジーンズをプレゼントするキャンペーンも実施。なお、顧客がスマートフォンをシェイクすると鈴が鳴るそうです。

西武鉄道/あの花 Smile Check-in

2011年に放送された大人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の舞台となった西武秩父の地域活性を目指したO2Oコミュニケーション。『あの花』の聖地である秩父エリア6カ所に、西武線池袋駅の1カ所を加えた計7カ所に設置されたQRコード(ポスター・パネル)をスマートフォンで読み込み、限定オリジナル壁紙をゲットしてまわる企画です。

ゲーミフィケーション型O2O

アライドアーキテクツ/モニプラFIND!

企業がプロモーションしたい商品を「ターゲット」としてユーザーに提示し、商品を購入して”開封した状態の写真”をスマートフォンで撮影・投稿してくれたユーザーにポイントを提供するO2Oサービス(現在はサービス終了)。ユーザー自身が店舗などで「対象物を探して(=FIND)購入する」ため、「商品が”いつ、どこで購入されたか”の先にある”いつ、どんな状況で消費されているか”を表す『消費シーンの可視化』が可能となり、これまでにないO2Oプロモーションを実現」とは同サービス開発元の言葉。

くら寿司のビッくらポン!

おなじみくら寿司のビッくらポン。回収ポケットにお皿が5枚入るごとに注文パネルの画面でゲームがスタートします。ルーレットのような簡単なゲームなのですが、当たると、上部にくっついているガチャガチャのような機械からその場で景品が出てきます。お店側にやる気さえあれば、10品以上注文したら会計時にルーレット、のような形で使えるかもしれません。

Wi-Fiなどを活用したO2O

マクドナルド(スペイン)

スペイン国内のマクドナルドで実施されたO2Oキャンペーンでは、Wi-Fiの設定をオンにしたときに一覧で表示される際のネットワーク名を、店舗の利用を促すメッセージに変更しました。例えば 「2時になりました。コーヒーでもいかがですか?」「マクドナルド店内では無料Wi-Fiに加え、無料でサンデーもプレゼントしています」などなど。店内で無料で使えるWi-Fiを設定しているお店は日本にもたくさんありますが、これを積極的にマーケティングに活用する形です。

SNSを活用したO2O

Ben & Jerry’s Japan

フェアトレードの原材料を用いたプレミアムアイスクリームチェーンでは、自社のFacebookページに週に1回謎解きクイズコンテンツを投稿、ユーザーが店舗で店員に答えを伝えると、おまけでアイスクリームを1つ追加してもらえるキャンペーンを実施しました(現在は終了)。同社ではクイズ以外にも「選挙に行ってアイスをもらおう!」「牛アイテムを身につけて来店するとアイスクリームプレゼント」など特徴的なイベントを都度実施。その成果もあってか、同チェーンの公式Facebookページは約770万もの「いいね!」を獲得しています。

いかがでしょう。こうして事例を見ると、「こんなことをしてみたい」というアイデアがふつふつと湧き上がってきたのではないでしょうか?とはいえ、先にも述べた通りO2Oなら何をやっても成功する、というものでは決してありません。あくまでも、あなたの会社や店舗のストロングポイントを引き出すための仕組みであるということをお忘れなく。そしてもう一つ。売上の上がらない施策は、いくらカッコよくても全て失敗です。流行りのO2Oに乗っかって、とんだ散財を仕出かした、といったことがないよう切に願います。

この記事を読んだ人におすすめの記事

    アクセスランキング

    あわせて読みたい

      @Concierge資料請求

      @Conciergeとは:
      見込み客を新規ユーザに育てるためのWEBコンシェルジュ型オウンドメディア構築ASP。
      ただ開業するだけでは終わらない、他社オウンドメディアと差別化する、優れたメディア構築が可能です。

      必須お名前
      必須フリガナ
      必須メールアドレス
      必須企業名
      必須部署名
      必須役職
      必須電話番号
      必須検討状況 (ご選択下さい)
      個人情報の取り扱いについて

      KABUKI > コンテンツ > 実店舗とECの融合!O2Oとは

      人気のキーワード